『探偵ロマンス』上白石萌音が“歌唱”で登場! 石橋静河の1人2役など伏線が張り巡らせる

『探偵ロマンス』上白石萌音が“歌唱”で登場

 お百と相反する存在として登場しているのが、バラバラの言葉たちの一つにも数えられる「赤の部屋」の女主人・蓬蘭美摩子(松本若菜)だ。近年は『金魚妻』(Netflix)や『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)、現在放送中の『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)など、数々の人気作品に引っ張りだこの松本若菜。妖艶に、時に敏腕な大人の女性のポジションを確立しつつある彼女は、今作では艶やかでミステリアスな人物を演じている。

 「赤の部屋」で特権階級の人々を相手にしながら、美摩子は一方で白井三郎(草刈正雄)からは「久代」と呼ばれている。フラッシュバックされるのは、10年前に起きた事件。三郎が必死に名前を呼ぶ相馬京子(石橋静河)が持っていたのは、怪盗からの予告状。そこには「あなたの大切なもの頂きます。「妹・相馬久代殿」」と記されていた。美摩子の背中にある7つの顔を持つ魔物「イルべガン」のイレズミ、太郎が思いを寄せる文通相手の村山隆子(石橋静河)と京子が瓜二つ(1人2役)なことも気になるところだ。

 また筆者が印象的に残ったのが、お勢(宮田圭子)が三郎に、住良木が美摩子に言った「優しい人は悲しい人」というセリフ。太郎、三郎、お百、美摩子。彼らに共通している、あるいは『探偵ロマンス』に通底しているのは人間臭いアイロニーだ。

■放送情報
土曜ドラマ『探偵ロマンス』
NHK総合にて、毎週土曜22:00~22:49放送 【全4話】
出演:濱田岳、石橋静河、泉澤祐希、森本慎太郎、世古口凌、本上まなみ、浅香航大、松本若菜、近藤芳正、大友康平、岸部一徳、尾上菊之助、草刈正雄ほか
脚本:坪田文
音楽・主題歌:大橋トリオ
制作統括:櫻井賢
プロデューサー:葛西勇也
演出:安達もじり、大嶋慧介
撮影場所:京都東映撮影所、関西近郊ロケほか
写真提供=NHK

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