『アバター:WoW』北米で独走状態に 苦戦を強いられる『バビロン』など大人向け映画

『アバター:WoW』北米で独走状態

 2022年から2023年、北米映画興行の年越しは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が制した。大寒波に襲われたクリスマスから1週間、映画館は年末の活況を取り戻したが、この年末は新たな大作映画の公開もなかった。したがって、12月30日~1月1日の週末興行収入ランキングは前週とほとんど変わらない顔ぶれになっている。

 ほぼ独走状態の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、年またぎの3日間で6344万ドルを記録。2023年は1月2日(月)が振替休日のため、4日間では8240万ドルを記録する見込みだ。

 北米興収は12月31日に4億ドルを突破しており、ディズニーの2022年公開作品としては『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』に続く3作目の好記録となった。1月2日には4億4400万ドルを突破し、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』を抜く予定。世界興収は14億ドルを超え、世界興収の歴代15位となる見込みである。

 世界興収の歴代No.1に輝く前作『アバター』(2009年)を追いかける本作は、北米では前作以上のペースで推移している。このままブレーキをかけずに突き抜けられるのか、それとも……。なお、これまで本作の損益分岐点は約20億ドルとみられていたが、このたびVarietyは「約14億ドル」との情報を新たに提示している。ディズニー/20世紀スタジオは正確な製作費を発表していないため、損益分岐点の予測もつかないのが実情なのだ。

 ランキングを概観すると、年末年始休暇の追い風を受け、ほとんどの作品は(寒波の影響に見舞われた)前週よりも大幅に興収を伸ばしている。第2位『長ぐつをはいたネコと9つの命』は北米興収6000万ドルを超え、第3位『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は前週の6位からベスト3に再び返り咲いた。映画賞での成果が期待される、第7位『ザ・ホエール』と第8位『フェイブルマンズ』も、公開規模こそ小さめながら健闘中。第9位『ザ・メニュー』も7週目にして息の長い人気を見せている。

 そんな中、前週に続いて苦戦を強いられているのが2本の大人向けドラマ映画だ。第4位『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』、第5位のブラッド・ピット&マーゴット・ロビー主演『バビロン』は、ともにファミリー層を呼び込めず、前週よりも興行収入を下げる結果となった。それぞれ4日間の興収成績は540万ドル、360万ドル程度に落ち着く模様。『バビロン』は製作費8000万を投じた野心作だけに、北米興収1000万ドルという現状は極めて厳しい。

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