大泉洋、『鎌倉殿の13人』などで見せた新たな一面 『紅白』までの2022年を振り返る

大泉洋、2022年に見せた新たな一面

 最後になってしまったが、やはり今年の大泉を振り返るのに、もっとも重要な作品は何と言っても『鎌倉殿の13人』だろう。当初、彼が演じた源頼朝は、無口で何を考えているかわからず、新垣結衣演じる八重や、小池栄子演じる政子など、女性たちを惹きつけるという謎めいた部分があったが、次第にコミカルな魅力を爆発させ、そのコミカルさが、かえって頼朝の残忍さ、本来は残忍ではなくとも、一度、権力の座についたものが、感じる恐怖や、そこから周囲のものを疑ったり、ときに粛清したりする怖さを際立たせていたように思う。

大泉洋「こんな役にはそうそう巡り会えない」 『鎌倉殿の13人』源頼朝を演じ終えて

毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼朝役を務めた大泉洋よりコメントが寄せられた。  NHK大河ド…

 頼朝が亡くなってからの『鎌倉殿の13人』は、どんどん不穏な空気に包まれ、画面もそれにしたがって闇のようなダークさを帯びていく。そんな後半を観ていると、ときおり、頼朝のいたころの明るさが懐かしく思われることもあった。

 大泉には、あまり悪役のイメージはないが、スペシャルドラマや、WOWOW作品、三谷幸喜の作品では、ときおり、人間の怖い一面をのぞかせる役も演じてきていた。個人的にも、韓国映画『新しき世界』で、イ・ジョンジェが演じたような、望まざるとも悪の側に呑み込まれてしまうような役を大泉洋にやってほしいと思っていた(Netflix『イカゲーム』をきっかけに、大泉がイ・ジョンジェに似ていると話題になったのも記憶に新しい)が、『鎌倉殿の13人』で源頼朝を演じたことで、今後も、そのようなダークな面のある役での活躍も期待できるのではないか。

 もっとも、『鎌倉殿の13人』で本当の意味でダークな世界を演じたのは、頼朝の亡き後、彼の影響を受けた北条義時(小栗旬)の方である。

 12月31日、大泉が司会を務める『紅白歌合戦』では、その小栗旬も出演することが発表された。果たしてふたりが、どのように絡む姿が観られるのだろうか。楽しみである。

■放送情報
『第73回NHK紅白歌合戦』 
NHK総合 BS4K BS8K ラジオ第1にて、12月31日(土)19:20〜23:45放送
※中断ニュースあり

■配信情報
『鎌倉殿の13人』総集編(全4章)
NHK+にて配信中
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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