犬童一心、黒沢清、三池崇史、ヨン・サンホが『ガンニバル』を絶賛 「大丈夫か柳楽優弥」

三池崇史監督ら『ガンニバル』にコメント

 12月28日より配信がスタートした柳楽優弥主演のディズニープラス「スター」オリジナルドラマシリーズ『ガンニバル』に著名人が絶賛コメントを寄せた。

 本作は、累計発行部数200万部を超える二宮正明の同名コミックをディズニープラス「スター」日本発オリジナルシリーズとして実写ドラマ化したサイコスリラー。『岬の兄妹』『さがす』の片山慎三が監督を務めたほか、『ドライブ・マイ・カー』で第74回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した大江崇允が脚本を手がけ、プロデューサーに『闇金ウシジマくん』シリーズの岩倉達哉、『ドライブ・マイ・カー』の山本晃久らが集結した。

 『ゼロの焦点』や『のぼうの城』で日本アカデミー賞を受賞した犬童一心監督は、「『ガンニバル』は、“日本”の新しい映画製作者たちが本気で取り組んだ“日本”の『恐怖』。消えない因習から生まれる血の匂いが画面から溢れる。ここまでやるかあ、と、いい仕事してます。この土地から逃れるには、早く観終わるしかないのか。ああ」と、本作にどっぷり使ってしまった様子で鑑賞したときの感情を表現した。

 また、第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した『岸辺の旅』や第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻』を手GAけた黒沢清監督は、「冒頭からいっきに持っていかれる。この村はマジでヤバイ。大丈夫か柳楽優弥。頼りになる仲間など誰もいない。でもだんだん、彼こそがいちばんヤバイのではないかと思えてきた。この先いったいどうなるのか? もう目が離せない」と、本作のヤバさや物語の展開を絶賛。

 ディズニープラス「スター」にて今月より配信が開始された韓国ドラマ『コネクト』の三池崇史監督からもコメントが到着。「『ガンニバル』は怖いというよりヤバい(笑)。日本だから作れる間とか空気感とか、何かが起こる前の気配が怖かった。普通は不気味な音響や特殊効果、カメラワークなどで恐怖をあおるわけだけど、やっぱり人間の捉え方なんですよね。ステレオタイプな人間が1人も出て来なくて、観客はキャラクターとうまくコミュニケーションが取れない。そこからどんどん分からない世界に入っていく感じが、日本人にしか作れないテイストの作品だなと思いました」と、日本人だからこそ作れる作品であると同時に、世界へ向けた作品でありながら自身の表現を貫き通した片山監督の手腕を絶賛。

 さらに、国際的に高い評価を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』などで知られるヨン・サンホ監督は、「片山慎三監督の研ぎ澄まされたカメラワークと演出の方向は、原作漫画が持つ恐怖の核心に迫る。つまり、原作漫画の実写化への解釈が完璧に近い。片山慎三監督は、原作漫画を実写ドラマという言語で“再描写”した感じだ」と、片山監督の演出、そして原作の魅力を最大限に活かしていると語る。また柳楽をはじめとするキャストたちに関しても、「柳楽優弥の演技は、今頂点に達し、伝説的な俳優の域に入ったと感じる。ただし、柳楽優弥だけでなく、この作品を構成する多くの俳優たちが、熟練した指揮者に従うオーケストラの一員のように“ガンニバル”という作品を一つの生命体として感じさせる」と、本作でみせる柳楽をはじめとするキャストたちの迫真の演技に称賛を送っている。

コメント

犬童一心監督

『ガンニバル』は、“日本”の新しい映画製作者たちが本気で取り組んだ“日本”の「恐怖」。消えない因習から生まれる血の匂いが画面から溢れる。ここまでやるかあ、と、いい仕事してます。この土地から逃れるには、早く観終わるしかないのか。ああ。

黒沢清監督

冒頭からいっきに持っていかれる。この村はマジでヤバイ。大丈夫か柳楽優弥。頼りになる仲間など誰もいない。でもだんだん、彼こそがいちばんヤバイのではないかと思えてきた。この先いったいどうなるのか? もう目が離せない。

三池崇史監督

『ガンニバル』は怖いというよりヤバい(笑)。日本だから作れる間とか空気感とか、何かが起こる前の気配が怖かった。普通は不気味な音響や特殊効果、カメラワークなどで恐怖をあおるわけだけど、やっぱり人間の捉え方なんですよね。ステレオタイプな人間が1人も出て来なくて、観客はキャラクターとうまくコミュニケーションが取れない。そこからどんどん分からない世界に入っていく感じが、日本人にしか作れないテイストの作品だなと思いました。世界に向けて発信するという作品であっても、自分の世界を表現することが大事だと僕は思っているので、やっぱりそうだよねと再確認できた作品でした。

ヨン・サンホ監督

片山慎三監督の研ぎ澄まされたカメラワークと演出の方向は、原作漫画が持つ恐怖の核心に迫る。つまり、原作漫画の実写化への解釈が完璧に近い。片山慎三監督は、原作漫画を実写ドラマという言語で“再描写”した感じだ。また、「こんな部分まで原作に忠実なのか」と感嘆した。スクリーントーンを使わずに、荒々しいペンの線で描かれた村が持つ不穏な空気を、カメラと照明、そして素晴らしい演技で再現した。そして、柳楽優弥の演技は、今頂点に達し、伝説的な俳優の域に入ったと感じる。ただし、柳楽優弥だけでなく、この作品を構成する多くの俳優たちが、熟練した指揮者に従うオーケストラの一員のように“ガンニバル”という作品を一つの生命体として感じさせる。

■配信情報
『ガンニバル』
ディズニープラス「スター」にて独占配信中
出演:柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、北香那、杉田雷麟、志水心音、中村祐太郎、吉原光夫、六角精児、酒向芳、中村梅雀、倍賞美津子
原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
監督:片山慎三、川井隼人
脚本:大江崇允
プロデューサー:山本晃久、岩倉達哉
©2022 Disney

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