『舞いあがれ!』未来に胸躍らせる福原遥に忍び寄る影 リーマンショックの波が岩倉家に

『舞いあがれ!』に訪れたリーマンショック

「入念な準備と冷静な判断を心がけ、お客様が安心してフライトを楽しむことができるパイロットになりたいと思っています」

 時は2008年9月。舞(福原遥)たち航空学校の生徒は帯広から仙台に移り、最終フライト課程の訓練を受けながら、航空会社への就職活動に励んでいた。なかなか採用されない日々が続いていた舞も、ついに博多エアラインの採用内定を勝ち取る。

 そんな順調に思えた舞の人生に少しずつ不穏な影が忍び寄っていた。『舞いあがれ!』(NHK総合)第56話では、リーマンショックの波が岩倉家を襲う。

 それは、突然の出来事だった。浩太(高橋克典)とめぐみ(永作博美)のもとに良い報告と悪い報告が同時に届く。もちろん、前者は内定をもらったという舞からの報告。2人はホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、取引先からの受注が激減していることを知る。

 まもなく工場の売り上げは下がり、浩太たちは従業員のボーナスカットを余儀なくされることに。一連の出来事は、2008年9月15日にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズが経営破綻したのを機に広がった世界的な金融危機の影響によるものだった。

 大人が頭を抱え始めた頃、若者はまだ希望ある未来を思い描いていた。舞たち同期は全員無事に就職が決まり、卒業式を前に飲み会を開く。そこには途中で退学となってしまった水島(佐野弘樹)の姿も。パイロットになることは叶わなかったが、父親が経営するスーパーでお惣菜担当として重宝されているという。大河内教官(吉川晃司)が言うように、パイロットになれなかったからといって彼の人生は終わったわけじゃなかった。夢が叶わなくても人生は続いていく。みんなに「おめでとう」と声をかける水島の晴れやかな表情に救われる人もきっといるはずだ。

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