『舞いあがれ!』目黒蓮の厳しさは愛情の裏返し? 柏木らしい励まし方

『舞いあがれ!』柏木らしい励まし方

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第43話で、舞(福原遥)の親友・久留美(山下美月)が、舞の兄・悠人(横山裕)と再会する。舞は久留美から、悠人が就職した会社を辞めたことを聞く。心配した舞は悠人へ連絡を取るが、「そんなことよりお前はどうやねん。ええ感じに空飛んでんのか?」と問われ、言葉に詰まる。舞は必死にフライト訓練に臨んでいるが、課題が山積みなのだ。

 大河内(吉川晃司)の指導のもと、舞と柏木(目黒蓮)、水島(佐野弘樹)は3人一組のチームとなってフライト訓練に臨んでいる。舞たちは基本的な空中操作を徹底的に指導されるだけでなく、操縦と並行してプロシージャー、チェックリストの確認、管制官とのやりとりも求められる。大河内の指導風景には強い緊張感が漂う。大河内の厳しい問いかけに舞も水島も圧倒されているようだが、舞たち1人1人の課題を的確に指摘する大河内の指導は、人の命を預かるプロのパイロットになるにはなくてはならないものだと感じる。

 とはいえ、現実は厳しい。舞たちは、限られた時間の中で技術を習得して審査を突破しなければならない。審査に落ちてしまうと退学になってしまう。舞の不安は募る。

 そんな中、柏木が舞を気にかける描写が印象的だった。柏木の基本的な表情や口調はぶっきらぼうだが、演じている目黒は微細な表情変化で彼の感情の機微をみせる。前日に放送された第42話でも、吉田(醍醐虎汰朗)と舞の様子を廊下で立ち聞きしていた姿が話題となっていたが、柏木にとって舞は何かと気になる存在のようだ。第43話では、総飛行時間が書かれた表の前で立ち尽くす舞を柏木が気にかける様子があった。その場面では、柏木は舞に声をかけず、そのまま教室を立ち去った。その後、落ち込んでいる舞に柏木は「気にしてるのか? 教官に言われたこと」と聞く。柏木は「落ち込む暇があったら打開策を考えろ」といつもと変わらない口調で舞に伝えた。水島からは「君に優しさはないのか?」と言われていたが、あの声かけは柏木らしい励まし方だったように思う。

 その後のフライト訓練でも柏木は舞に目を向けていた。舞は苦手な着陸に挑むのだが、着陸直前に大河内から「Go Around(=着陸のやり直し)」と指示される。焦りの表情を見せる舞の後ろで、柏木はどこか心配そうな面持ちで舞を見つめていた。

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