『親愛なる僕へ殺意をこめて』山田涼介がダークヒーローに変貌? “苦しい真実”が明らかに

『しんぼく』山田涼介がダークヒーローに変貌

 誰かの大切な人を守ることが、誰かの大切な人を傷つけることになる。『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)の第7話では、怒涛の展開で15年前の新事実が浮き彫りになっていった。連続ドラマの前半で描かれた激しい拷問シーンから一転、物語は様々な人間模様が複雑に絡み合った本格ミステリーへと様相を変える。

※本稿には『親愛なる僕へ殺意をこめて』第7話のネタバレを含みます

 桃井(桜井ユキ)の言葉で、八野衣真(早乙女太一)がLLではないと確信を持ったB一(山田涼介)。ナミ(川栄李奈)と共に、真相を調べに秩父へと向かった。そこで明らかになったのは、桃井の上司の猿渡(髙嶋政宏)がこの事件に関与しているということだった。B一は、15年前に猿渡がホワイトラビットで買春をした事実を隠蔽するために花坂(遠藤雄弥)と八野衣を殺したと推測し、桃井に猿渡を連れてきてもらう。しかしそこでB一をはめた桃井から撃たれてしまった。猿渡とB一の会話の一部始終をこっそり録画していたナミは、それをSNSに投稿すると桃井を脅すのだが、今度は桃井がB一の推測とは異なる顛末をナミに明かす。それは、実際にホワイトラビットを利用して買春をしていたのが桃井だったという衝撃の真実だ。猿渡は、桃井を庇うために八野衣を殺してしまったのだ。そして猿渡と桃井が互いを庇い合ううちに罪は重なり……。

 猿渡が桃井を庇い八野衣を殺してしまったこと、そして桃井が猿渡の殺人を隠蔽するためには真相を闇に葬らなければならず花坂とサイ(尾上松也)を殺してしまったこと。誰かが誰かを守ろうとするたびに罪は膨らんでゆく。そして桃井は、その罪を清算するように自らが橋の上から身を投げた。桃井を守りきれなかった猿渡は銃口をくわえ自害する。一見綺麗事のようにも感じるが、桃井と猿渡のせいで八野衣が罪を着せられ、殺されてしまったことは紛れもない事実だ。この2人の想いがB一の大切な父親を奪ったことになる。

 これだけ酷く、苦しい真実が明らかにされながら、八野衣とは違ったところにいる真犯人はいまだ謎に包まれたままだ。本当は八野衣が犯人なのか、八野衣は誰かにはめられているのか。そして桃井に脅迫状を送ったのは誰なのか。真相が明らかになり、次々とキャラクターの裏の姿が浮き彫りになるものの、未だ謎は解決されない。B一にとって最も重要な、「八野衣真は罪を犯したのか」というところはいつまでも明かされないまま。だがこの焦れったい展開の中で、山田はエイジからB一へと豹変し、警察の真実を暴き、父を信じて復讐を図る姿へと変貌していくさまを演じる。この巧みな演じ分けと、B一が父親に向ける一抹の希望と不安を孕んだ瞳が作品をさらに深い場所へと到達させるのだ。心をえぐられるようなつらいエピソードが続く中、山田の芝居はさらに研ぎ澄まされて深みを増していく。

 「New Hero」をコンセプトに2022年から復活したフジテレビの水10ドラマ枠だが、どうやら今期ばかりは刺激的で闇が深いダークヒーローとなりそうだ。

■放送情報
『親愛なる僕へ殺意をこめて』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ほか
原作:『親愛なる僕へ殺意をこめて』原作:井龍一、漫画:伊藤翔太(講談社ヤングマガジン刊)
脚本:岡田道尚
総合演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
音楽:☆Taku Takahashi(m-flo)
主題歌:Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
制作著作:フジテレビジョン
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/shinainarubokue/
公式Twitter:@shinboku_cx
公式Instagram:@shinboku_cx

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