山﨑賢人がとにかくアツい 『アトムの童』『グッド・ドクター』に共通する“天才キャラ”
毎週日曜に放送中の『アトムの童』(TBS系)を観ると、「そうだよな、仕事っていろいろあるけど楽しいものだよな」という気持ちになるのが不思議だ。その理由はおそらく、とにかくアツい山﨑賢人にある。
山﨑演じる安積那由他は、松下洸平演じる菅生隼人、栁俊太郎演じる緒方公哉とともに“ジョン・ドゥ”という名前でゲームを制作する、若き天才ゲーム開発者だった。あることがきっかけでゲーム開発から離れていたが、ひょんなことから老舗玩具メーカー「アトム玩具」の経営再建をかけたゲーム開発を始めることとなる。
ゲーム開発から離れた那由多は、生活のために自動車整備工場で働いていたが、ふと、客が持っていたゲーム機に目をやってしまったり、カプセルトイを引く時は、神社の参拝よろしく、機械の前で柏手を打ったり、ゲームへの熱は冷めず、開発への未練はタラタラだった。だが、ゲーム開発を再開した那由他はまさに水を得た魚となったのだ。長い髪をひとまとめにしながら気合を入れ、ワクワクを隠せないにやけ顔でパソコンに向かう姿は心底楽しそうだし、納得のいくゲームを作るために、因縁の会社・SAGASに在籍していた隼人に一緒にゲームを作りたい想いを全身全霊で訴える。とにかく熱量が高い。アツい。傍から見ればちょっと恥ずかしいのでは? という行動も、今の那由他には関係がなく、彼からはゲーム作りが生活の中心である仕事になった喜びが溢れ出ている。
山﨑が演じる天才役と聞いて『グッド・ドクター』(2018年/フジテレビ系)を思い出した人も多いのではないだろうか。那由他を情熱的な天才とするならば、自閉症スペクトラム障害とサヴァン症候群を抱えている小児科医の新堂湊は、いつも子供たちに優しく語りかけ、微笑みつつ、治療をしていく穏やかな天才だ。こうも性格が違う2人の天才が、山﨑賢人という1人の俳優によって演じられているのだ。作品によって全く違う顔を見せる山﨑の演技の幅に驚かされると同時に、天才を演じる山﨑もまた、天才のひとりなのだと感じさせられた。