『君の花になる』本田翼が自分の存在意義を見つめ直す 考えさせられた“自分の色”や“夢”
あす花の姉・優里(木南晴夏)の婚約者・満男(菊田竜大)の浮気騒動にも、そのメッセージを感じることができた。結婚さえすれば何か許されると思っている人の「当たり前」や、結婚さえすれば一人で生きていくことにはならないと思い込んでいる人の「普通」を、そうは思わないのであれば無理に染まる必要はないということ。そういえば『恋せぬふたり』でも、妹夫婦の浮気問題が妹の価値観をアップデートする物語のターニングポイントになっていたのを思い出す。「結婚」という人生において大きな決断が求められる場面にこそ、その人の「普通」や「当たり前」が色濃く出るためかもしれない。
もちろん「仕事」も自分の人生の大半を費やす大きな要素だ。香坂も過去に「愛嬌のあるマネージャーが良かった」と担当を外された傷を持っていた。それでも自分のカラーを変えなかった。いや、変えられなかったとも言えるかもしれない。だが、それゆえに敏腕マネージャーとして活躍できたという面もある。何かとクセが強めのキャラクターである8LOOMマネージャー・添木(宮野真守)も、もともとは自身がアイドルだったことが判明する。アイドルとしての夢は諦めざるを得なくなった事情には、また別の物語があるのだろう。そして“すきぴ”のトシ(梶裕貴)が登場したのは、いろんな意味でのサプライズだった。
そして、あす花の愛嬌たっぷりな姿が「私がヘラヘラしちゃうのは周りに嫌われたくないからで」という思いからだという言葉にも驚かされた。自然と出ている笑顔だけではなく、頑張って明るく振る舞っている部分もあるというのだ。でも逆にそういう態度が周りを腹立たせてしまうこともわかってて……」と続ける表情はどこか寂しげで。そこには、やはりあす花が教師を辞めるに至ったトラウマがまた関連しているのだろう。
自らのカラーを発信していこうと奮闘する8LOOMを応援することで、逆にあす花や周りの大人たちも、そして視聴者である私たちも「自分の色」や「夢」について考えさせられる。あなたは頑張りすぎて自分の色を見失ってはいないだろうか。
■放送情報
火曜ドラマ『君の花になる』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:本田翼、高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝、志田彩良、菊田竜大(ハナコ)、川津明日香、木南晴夏、宮野真守、内田有紀、竹中直人、夏木マリ
脚本:吉田恵里香
プロデューサー:黎景怡、宮﨑真佐子
演出:坪井敏雄、加藤尚樹、宮崎陽平
製作著作:TBS
©︎TBS
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