能條愛未が語る“舞台”への思い カーテンコールは「自分のことを誇りに思える唯一の瞬間」

能條愛未、自身にとって“舞台”とは

 能條愛未という人物に、あなたはどういうイメージを持っているだろうか。元乃木坂46のアイドルとしての姿、バラエティで活躍しているタレントとしての姿、そして舞台俳優としての姿。どの彼女について語るかでそれぞれ印象は全く異なるはずだ。

 今回、11月3日からニッショーホールにて行われる舞台『りさ子のガチ恋♡俳優沼』で主人公のりさ子を演じる能條に、役づくりや舞台の裏側の話をはじめ、彼女のキャリアの今までとこれからについてインタビューを行った。

 グループを卒業して3年。舞台を中心に輝き続ける能條は、いま何を思い、これからどのような道を歩もうとしているのか。取材を通して浮かび上がってきたのは、昔も今も夢を追いかけ、戦い続けている1人のまっすぐな舞台俳優としての姿だった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

舞台『りさ子のガチ恋♡俳優沼』能條愛未からメッセージが到着!

舞台俳優としてのはじまりと変化する“緊張”の意味

能條愛未
――能條さんが1番最初に舞台と出会ったときのことを教えてください。

能條愛未(以下、能條):1番最初は『美少女戦士セーラームーン』の舞台でした。たぶん小学校低学年くらいの小さな子が“ちびうさ”の役を演じていたんですが、それがすごく輝いて見えて。それで私も「あの役をやりたい、あっち側に行きたい」というようなことを幼稚園のときに母親に言いました。

――その舞台を観たときに感じていたことって覚えていますか?

能條:なんとなく覚えています。幼かったので、本物のセーラームーンが舞台にいると思い込んでいました。それで私が「あっち側に行きたい」って言ったとき、母親から「じゃあもっといろいろ頑張らなきゃね」ということを言われて。それで私は「あっち側に行くには何か頑張らなきゃいけないことがあるんだ」と思ったのを覚えています。それで私が物心がしっかりとつく前から、舞台に立つことに向けての習い事を母親が習わせてくれました。

――初めの頃からお母さんのサポートがあったんですね。

能條:母親はミュージカルがすごく好きなので、私が舞台をやりたいということにはとても前向きにサポートしてくれました。習い事もたくさん習わせてもらったので、親にはとても感謝しています。

能條愛未

――習い事を本格的に始められたのは何歳ぐらいのときですか?

能條:小学校3年生のときに人生で初めて『アニー』のオーディションを受けることになって。そこに向けて、ボイストレーニングと歌の練習、あとはお芝居も。ダンスも習っていたので、かなり幼い頃から始めていましたね。

能條愛未
――かなり早い段階から始められてたんですね。最初に舞台に立たれたのはどんな作品でしたか?

能條:最初に舞台に立ったのは、地元のスクールみたいなところのオリジナル作品でした。本格的な舞台というよりは、市民会館のような場所で行われるようなものでした。セリフはひと言だけだったのですが、そのときの感覚や光景は今でも覚えています。

――初めて舞台でセリフを言い終わったときに感じたのは、やっぱり達成感だったんですか?

能條:そのときは「(出番が)くるぞくるぞ……」って思いすぎて、たったひと言なのに声が裏返っちゃったんですよ。緊張しすぎて。それで幼いながらに「やっちゃった……」っていう悔しさでいっぱいでした。

――次はもっと上手くやってやるぞ、みたいな。

能條:そうですね、声ももちろんそうですし、セリフももっと喋りたいって思いました。

――当たり前のことかもしれないですが、今でも変わらず緊張はしますか?

能條:もちろんします。ただ、“緊張”っていうざっくりした意味ではもちろん変わらないのですが、なぜ緊張するのか、その“意味”みたいなものは数をこなすにつれて変わっていっているのを実感しています。

能條愛未

――どういうふうに変わってますか?

能條:最初は、舞台そのものに慣れていない緊張感でした。慣れていないから、初めてのことをやるときの緊張で、失敗を想像するというよりも、舞台に出ることそのものへの緊張感です。それでも数をこなしていくと少しずつ慣れて、舞台が楽しくて、心から大好きだと思えるようになりました。そうなると、次は大好きなことを目の前にしたときの高揚感のある緊張感に変わってくるんです。

――なるほど。それは武者震いに近いものかもしれないですね。

能條:それでもっと数をこなしていくと失敗をする機会も増えていくのですが、失敗したときのあの感覚や恐怖心って、本当にこびりついて離れないんです。私はセリフが飛ぶような大きな失敗はまだないんですが、同じシーンに出ている子が長セリフを丸々飛ばしちゃったのを目の当たりにして。そういう経験をいくつもして、今は「いつ自分が大きな失敗をするか分からないな」という緊張感を持って舞台に立っています。

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