『BLEACH 千年血戦篇』はオリジナル演出が斬新 アニメ化で追加された表現とは?
『チェンソーマン』や『SPYxFAMILY』など、注目作が集まる2022年秋アニメ。そのなかで10年ぶりにアニメ作品として帰ってきた『BLEACH』も原作ファンを中心に大きな注目を集めている。
一護たちがキルゲ・オピーと対峙 『BLEACH 千年血戦篇』第3話場面写真&予告編公開
テレビ東京系にて毎週月曜24時から放送されているTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』第3話の場面写真と予告編が公開された。 …
作品の最終章にあたる「千年血戦篇」が描かれる本作は、物語の完結まで分割4クールで放送されることが決まっている。本稿では放送開始を記念しアニメ『BLEACH(千年血戦篇)』の魅力を考察したい。
アニメ1話あたりにつき原作の4~5話分のエピソードがテンポよく展開していくため、とくに序盤においては破面(アランカル)のアパッチやミラ・ローズ、ティア・ハリベルなど、過去に対峙した敵キャラクターたちが続々と登場する。怒涛の勢いで展開していくため、1話1話が非常に濃密なものとなっている。
朽木ルキア役を演じる声優の折笠富美子は、本作の魅力を「エピソード毎の展開が全部“サビ”になっているところだと思います」と答えており、まさしく最終章にふさわしい内容といえるだろう。(※)
原作のエピソードが凝縮されテンポよく展開している点もさることながら、ときに原作にはないアニメオリジナルとなるシーンも存在する。
第1話「THE BLOOD WARFARE」では空座町にて黒崎一護と敵対勢力であるイーバーンが対峙する際、イーバーンが五差路で膝をつくシーンが描かれた。この場面ではイーバーンは正体がわからず得体の知れない存在として描かれるが、のちに一護たちを襲ったのが滅却師(クインシー)たちであることが判明する。五差路は得体の知れないイーバーンが滅却師側の存在であることを暗喩していたのだと考えられるだろう。
また第1話の冒頭にて深夜の空座町で戦闘する際には、原作では存在していなかった複数の信号機が描かれている。この信号機は虚(ホロウ)が現れると一斉に赤信号へと変わり、闇のなかで赤信号と虚の赤い目が浮かび上がる光景に一変する。原作も虚のおどろおどろしい雰囲気が漂う場面であったが、アニメでは色彩やオリジナルの演出によって不気味さが増した光景として映された。
原作のエピソードを凝縮しつつ、ときに原作にはないシーンや演出が入ることで、原作の展開を知るファンにとっても新鮮な作品として楽しむことができるだろう。