あの妖怪たちが手元に! 老若男女を惹きつける『妖怪シェアハウス』シリーズの魅力を解説
小芝風花が、人に騙されやすい不幸呼び寄せ体質だけど、その純真さゆえに妖怪たちに助けられて進んでいくヒロイン・澪を演じて好評を博した『妖怪シェアハウス』(2020年/テレビ朝日系)。2022年4月期には、第2弾となる『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』が放送され、澪と妖怪たちを待っていたファンを喜ばせた。その期待を裏切らずに、より進化した第2弾がDVDとなって帰ってきた! 5月には第1弾のDVDが発売されており、これでドラマの全てが手元に揃う(両DVD-BOX購入で豪華賞品が当たるキャンペーンも)。というわけで、改めてその魅力をおさらいしたい。
第1弾では、夢を持った澪が2本の角を手に入れ、独り立ちしてシェアハウスを旅立っていった。その姿はすがすがしく、ヒロインの選択を恋愛成就で終わらせないラストに拍手を送った。しかし世の中は世知辛い。荒波に揉まれ、角もなくし、ひもじい餓鬼のようになった澪は、“妖怪シェアハウス”へと帰ってくる。再び夢を追い始める澪だったが、その前に“闇落ち”した妖怪たちが現れて……。
本シリーズ最大の魅力は、なんといっても芸達者な俳優陣が魅せるコンビネーション。キュートなコメディエンヌぶりが愛らしい小芝の煌めきも、周囲の妖怪たちの存在あってこそ。シェアハウスのメンバーは、澪のことがかわいくてたまらない心配性のお岩さん(松本まりか)、正義感溢れる酒呑童子(毎熊克哉)、いつもみんなにおいしいご飯を作ってくれる、わらべ歌が得意な座敷わらし(池谷のぶえ)、みんなの突っ込み役で潤滑油のように欠かせないぬらりひょん(大倉孝二)と前作と変わらず。そして舞台は荒波八幡神社から閻魔寺へと移り、レギュラーに生臭和尚(池田成志)と跡取り息子で警察官の満(豊田裕大)が加わった。
前作では悪い人間たちを成敗するために、アマビエ(片桐仁)や山姥(長井短)ら、個性豊かな妖怪たちが登場したが、今作では“妖怪の闇落ち”という新たな現象が描かれる。ホラー&コメディのテイストを守りながら、世相を反映させていた前作に続き、第2弾でもプラスチック問題を筆頭に、時代に切り込むことも忘れない。そしてこれらのホラー&コメディ&社会派なストーリーを、小久保寿人、山内圭哉、六角精児といった舞台でも活躍の俳優たちが、レギュラー陣とともにあうんの呼吸で回していく。
巧さと同時にクセの強い俳優たちが揃う本シリーズ。彼らが縦横無尽に動き回れるのも、作品の世界観が確立されているから。井戸のある中庭など、前作の雰囲気を踏襲しつつ、囲炉裏や階段が空気を循環させる建物の構造などの新しさも加え、壁紙に家具、小物と和モダンなスタイルのシェアハウスがどっしり構える。そして衣裳や、特殊メイクを含むメイクによるキャラクター造形、今回は特に人間の姿と本来の姿にプラスして、闇落ちした妖怪の姿形も生み出された。これらの基盤がしっかりしているから、観る側も安心して濃ゆい妖怪ワールドに浸かることができる。また、シェアハウスでの食事シーンのおいしそう、かつ楽しそうなこと! 絆をはぐくむ料理も重要なアイテムだ。