『新・信長公記』西畑大吾×永瀬廉の“だいれん”が活躍 原作漫画を超える怒涛の展開に

『新・信長公記』西畑×永瀬のだいれんが活躍

 悲しげな横顔に、憂いを帯びた瞳。『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(読売テレビ・日本テレビ系/以下『新・信長公記』)第9話は、永瀬廉が真骨頂を発揮した回だった。

 家康(小澤征悦)とみやび(山田杏奈)が無事に救出され、平和が戻った特進クラス。このまま、なにも問題が起きませんように……と願ったが、急に信長(永瀬廉)が家康に戦いを挑むと宣言する。正直、「トラブルメーカーはお前かい!」という感じだ。

 だって、これまで彼は“和の心”を大切にしてきたはず。それなのに、まさか家康と“敵対”する道を選ぶなんて。家康が、「所詮、お前も敵か」と失望してしまうのも無理はない。

 しかし、信長の“瞳”からは、明らかに不本意であることが伝わってきた。どれだけ家康に罵られても、その瞳が怒りに燃えることはない。「助けて」「分かって」と訴えているように見えたのだ。

 この場面を観た時、やっぱり永瀬廉は“瞳”で語るのがうまいなぁ、と思った。彼は、演じるキャラクターが抱える複雑な心情を、まっすぐに視聴者に届けてくれる。大人びたクールな瞳のなかに、優しさや温かさを感じさせたり。その反対に、子どもっぽく無邪気に笑っている時も、瞳の奥には闇があったりする。

 連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)で亮を演じていた時も、“何かを抱えている”というのがすぐに伝わってきた。幼なじみたちとじゃれ合っていても、心の底から笑えていない絶妙な笑顔。ふと素に戻った瞬間、ロウソクの炎が消えたように無になってしまう。永瀬は、台詞以外の“余白”を表現するのに長けている。

 特進クラスの生徒たちも、信長の“瞳”の奥にある真意を読み解くのに奮闘していた。信じているけれど、信長の行動を理解することができない。でも、きっと何か理由があるはずだ。でも……と、またもやバラバラになりそうになる彼らをまとめたのが、秀吉(西畑大吾)だ。

「どっちでもええわ! 信じてんねんやろ? 何にせよ、信長のことを。信じてるんやったら、見守ってやれや」

 関西ジャニーズJr.時代、同じグループに所属して、苦楽をともにしてきた永瀬と西畑。なんだかこの台詞は、“だいれん”と呼ばれる仲良しコンビの絆が反映されているような気がした。同期でありながら、永瀬よりも年上の西畑は、この台詞と同じく、信じて見守ってきていたのかもしれない。遠く離れた時も、変わらずに。だから、これまでの秀吉の言葉のなかで、いちばん熱が込められているように聞こえたのだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる