第35回東京国際映画祭コンペ部門審査委員長はジュリー・テイモア 主要企画も発表

 第35回東京国際映画祭のコンペティション部門審査委員長が、ジュリー・テイモアに決定した。

ジュリー・テイモア(photo:Marco Grob)

 10月24日から11月2日にかけて日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリア地区で開催される第35回東京国際映画祭。

 コンペティション部門審査委員長となったテイモアは、舞台『ライオンキング』(1997年)の演出や、映画『タイタス』(1999年)、『フリーダ』(2002年)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007年)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020年)などを監督している。昨年のイザベル・ユペールに続き、女性の審査委員長となる。そのほかの審査員(全5名予定)に関しては、後日発表される予定だ。

 今回発表された主要企画は下記の通り。

黒澤明賞

黒澤明

日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくために、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、黒澤明賞が今年の東京国際映画祭に戻ってくる。過去にはスティ
ーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞していた同賞。今年は、山田洋次、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選ばれる。受賞者は後日発表される。また、同賞に合わせて、「黒澤明の愛した映画」と銘打ち、『フィツカラルド』『ミツバチのささやき』など黒澤明が愛した世界の名作が上映される予定だ。

ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集

ツァイ・ミンリャン Photo by Claude Wang

東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞を受賞した『青春神話』での監督デビューから 30周年を迎える台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンの特集上映が、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、及び東京フィルメックス(10月29日~11月6日予定)との共催で開催される。東京国際映画祭では『青春神話』『楽日』や日本未公開の短編などを、 東京フィルメックスでは『西瓜』『ヴィサージュ』などを上映。両映画祭にとってこれが史上初の共催企画となる。

Nippon Cinema Now 部門特集 〈追悼 青山真治〉

青山真治監督 Photo by Masayuki IKEDA

昨年新設された、この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する同部門では、今年3月に急逝した青山真治監督を追悼し、代表作2作品『EUREKA ユリイカ』と『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』が英語字幕付きで特集上映される。

国立映画アーカイブ共催「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」

『台風クラブ』©ディレクターズカンパニー

 本年、東京国際映画祭は国立映画アーカイブと共催で特集上映「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」を開催し、1982年に長谷川和彦の呼びかけによって設立され、11年間にわたって個性的な作品を作り続けたディレクターズ・カンパニーの作品を35mmで上映(会場は国立映画アーカイブ小ホール)。東京国際映画祭では日本映画クラシックス部門の中でディレクターズ・カンパニーの代表作4作品『台風クラブ』『光る女』『DOOR』『地獄の警備員』のデジタルリマスター版が上映される(会場はTOHOシネマズ シャンテ)。

ジャパニーズ・アニメーション部門特集

 2022年のテーマは「ゼロから世界を創る」。「アニメーションで世界を創る」と題して、最新アニメ映画『雨を告げる漂流団地』『夏へのトンネル、さよならの出口』『ぼくらのよあけ』の3作品がピックアップ。レトロスペクティブ「アニメと東京」ではアニメが「東京」という世界をいかに描いたかに注目し、4作品が上映される。

■開催概要
「第35回東京国際映画祭」
10月24日(月)~11月2日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリアの各映画館やホールなど
主催:公益財団法人ユニジャパン
公式サイト:www.tiff-jp.net

「TIFFCOM2022」
10月25日(火)~27日(木)(※オンライン開催)
公式サイト:www.tiffcom.jp

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