ユ・アインらが80年代のソウルを疾走 『ソウル・バイブス』が描く“ヒップトロ”の世界観
作品の強い柱となったのは見応えのあるキャスト陣。中心となる家族のように深い絆で結ばれた5人組は、最強ドリフターのドンウク(ユ・アイン)、クラブDJのウサム(コ・ギョンピョ)、タクシー運転手で“人間ナビ”と呼ばれるボンナム(イ・ギュヒョン)、変装とバイク操縦の才能はピカイチでドンウクの妹・ユニ(パク・ジュヒョン)、可愛い弟分の整備士ジュンギ(オン・ソンウ/元Wanna One)。個性を活かした役割が明確で、一人ひとりの活躍とチームプレイで着々と成功へと繋いでいく。
ユ・アインが主演ということで期待していたファンも多かったであろう。『声もなく』(2020年)や『バーニング 劇場版』(2018年)とは一味違ったキャラクターで、最後までストーリーを牽引する存在だ。どんな役でもしっくりきてしまうユ・アインの実力には何度でも心を奪われる。そしてギャップに驚いたのはジュンギ役のオン・ソンウ。『十八の瞬間』(2019年)では物静かで純情な高校生役がとても印象的なので、ぜひ違う魅力を楽しんでいただきたい。加えて、検事役のオ・ジョンセ(『サイコだけど大丈夫』)、VIP側にはムン・ソリ(『三姉妹』)、キム・ソンギュン(『D.P. -脱走兵追跡官-』)と重圧感のある俳優が脇を固め、ドンウクをライバル視しているカルチ役に扮するソン・ミノは強烈なキャラクターを披露している。
この時代は軍事政権が退き、新しい時代へと移り変わる激動の時代であり、本作でも「将軍」と呼ばれる人物が登場し、フィクションでありながら当時の韓国の情勢を連想させる場面が描かれている。ちなみに、ウサム役のコ・ギョンピョやVIPの室長キム・ソンギュンが出演している『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015年~2016年)も同じ時代が舞台となった作品だ。
80年代のアメリカで流行ったヒップホップ曲や韓国の歌謡曲のビートに合わせた若者たちのバイブスは限界を知らない。スピードに乗った爽快感を堪能できる『ソウル大作戦(原題)』をフルアクセルで駆け抜けてみてはいかがだろうか。
参考
※ https://n.news.naver.com/entertain/article/001/0013403766
■配信情報
Netflix映画『ソウル・バイブス』
Netflixにて独占配信中