『大奥』はNHKならではの大スケールに? 『おんな城主 直虎』森下佳子の構成力に期待

NHKドラマ『大奥』への期待

 漫画原作のドラマといえば、同じくよしながふみ原作の『きのう何食べた?』(テレビ東京系)が大ヒット。『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)や、『おかえりモネ』(NHK総合)などを手がけた安達奈緒子が、巧みな筆致で実写化を成功に導いた。

「安達さんの脚本は丁寧で繊細な心理描写が特徴的で、よしながさんが描く同性カップルの日常も優しい眼差しで切り取っていました。対して、森下さんは凛とした女性を描くのが上手な方だという印象があります。それこそ、森下さんが手がけた『おんな城主 直虎』も男性中心の社会で領主として名乗りを上げた女性が主人公となっていました。同作も女性視聴者が共感できるポイントが多々あったので、男女逆転の物語ではあるけれど、現実世界にも繋がる女性の生き様を映し出してくださるのではないでしょうか」

 また、木俣氏は民放ではなく、NHKでドラマ化される点についても期待を寄せる。

「朝ドラと大河以外にもNHKは優れたドラマを制作しているにもかかわらず、観るのはドラマファンの中でもコアな層がほとんどという印象があります。大河でも来年は徳川家康、再来年は紫式部を主人公に据えて、豪華絢爛のトップ・オブ・ザ・トップを描こうとしていることからも、もっと多くの人にNHKドラマを観てほしいという気持ちが強まっているのではないでしょうか。NHKは美術セットを再利用してSDGsの課題にも積極的に取り組んでいるとのことなので、過去作で得た資源をたっぷり利用して、NHKだからこそのスケールの大きな世界観を見せてくれることを期待します」

 各将軍編に登場する主要キャストは後日発表される予定。NHKが再ドラマ化に乗り出した『大奥』の続報を待ちたい。

■放送情報
ドラマ10『大奥』
NHK総合にて、2023年1月放送開始
原作:よしながふみ『大奥』
脚本:森下佳子
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:舩田遼介、松田恭典
演出:大原拓、田島彰洋、川野秀昭
写真提供=NHK
©よしながふみ/白泉社

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