『ちむどんどん』真っ当な重子と房子の意見 反発する暢子と和彦の未来やいかに

『ちむどんどん』房子と重子の意見

 NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第97話は、重子(鈴木保奈美)のド正論から開幕した。

 「悪いのは、全部和彦!」と強く言う、重子。暢子(黒島結菜)が店を出すことで何かと物入りになったり、経済的なマイナスが重なったりする状況の中で先日新聞社を実質クビになった和彦(宮沢氷魚)に、再就職を促していた。大元を辿ればクビになってしまった原因は暢子の兄・賢秀(竜星涼)にあるものの、「いずれ辞めようとしていた」と強気な態度の和彦。しかし、暢子の経済基盤が不安定な時に仕事を辞めてフリーランスに転身するという行為からは、口では言う「暢子を支える」という意志が伝わらない。というより、本人はそれで“いける”と思ってしまっている世間知らずさが、実は暢子と似ている部分でもあるのかもしれない。

 ただ、母親の重子はかなり真っ当なことを言っており、暢子にとって和彦がふさわしくないと主張。収入を得るために一旦銀行員になることを進めるが、状況を理解しきっていないのか和彦は「いや」の一点張りで、とにかく「フリーランスの記者」になることにこだわる。さらに、話の流れで暢子が妊娠していることを重子は知り、名前を聞くと「ちむどんどん」と返されて腰を抜かしてしまった。しばらくして、改めて重子が和彦を喫茶店に呼び出し「ちむどんどん」はやめておけと言う会話に繋がるものの、実は店の名前でしたと言うオチに繋がる。アンジャッシュのコントか。

 姑の重子があれほどまで妻の味方になり、「夫が身重の妻を放って好き勝手に日本中を飛び回るなんて!」と非難するも、暢子は逆に和彦のやりたいことを応援したいと擁護する。そんな彼女をもう一人、たしなめる存在が房子(原田美枝子)だ。妊娠した暢子の体を気遣って、この先まだいくらでも機会はあると説得を試みるも、暢子の意志は変わらない。逆に「なぜそれほど反対するのか」と暢子は自分を否定されている気持ちになってしまって、房子の愛に気付けない様子だ。

 房子は闇市での仕事を身重な妹が手伝ってくれていたと明かしたが、以前空爆で亡くなった妹なのか、その闇市は戦時中なのか戦後のことなのか定かではない。ただ、忙しくて猫の手もかりたいほどだった房子は妹の好意に甘え、それが直接的な原因になったかはさておき、仕事中に妹が倒れて流産してしまったことを後悔していた。そのため、暢子に「妹のようになってほしくない」と告げるのであった。

 しかし、「話してくれてありがとうございます。今まで以上に気をつけます。自分の命と、新しい命を大切します。でも諦めたくない」と、やはり聞かない暢子に房子は最終的に開店する上で三つの条件を提示する。一つは「店の味を任せられる料理人を雇うこと」。体調が悪い時、産前産後に店を休むときに任せられる人を用意することは必要である。もう一つ、「店の看板メニューを作ること」。これは店の方針にも関わってくる。そして、一番気持ちを込めて伝えた条件が最後の「心身ともに健康でいること」だった。

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