井浦新&尾野真千子、『こちらあみ子』公開に「寂しさを感じる」 絆を深めた撮影裏話も
この日登壇予定だった森井勇佑監督と大沢一菜が急遽出演できなくなってしまったため、会場宛てに書いてもらった手紙を司会者が代読することになった。大沢はこの手紙で「撮影中で一番楽しかったことは、みんなと共演できたことです。お父さん役の新さんは料理がとても上手で、撮影が始まる前にハンバーグを作ってもらって、食べさせてもらいました。とても美味しかったです。お母さん役の真千子さんはいろいろなところに遊びに連れて行ってくれました。ふたりとも本当の家族のようでした」と綴っており、井浦や尾野とはカメラが回ってない時間も絆を深め合っていた様子。
井浦はハンバーグを作ったことについて「撮影がはじまる前の2日間くらい、スタッフさんが寝泊まりしていた一軒家で子供たち二人と3人で過ごしていて、そこで何を食べたいかと聞いたらハンバーグと言われたんです。なのでスーパーにみんなで買い物に行って、作って食べました」と当時の思い出を語る。さらに思い出を振り返る中で井浦は、監督の森井が「皆さんに観て頂くために映画を作っているのに、観て頂きたい気持ちと、僕だけのあみ子にしたい気持ちがあるんです」と語っていたことを吐露。井浦自身も「僕も、早く観ていただきたい反面、僕のあみ子がみんなのあみ子になってしまう寂しさを感じています。それを、今日から皆さんに観てもらうことで感想をいただき、少しずつあみ子が成長していっていることを感じ、さらにあみ子を深く知っていくことになるんだろうと思っています。観た人それぞれのあみ子がいる、そういう作品だと思います」と『こちらあみ子』に対する思いを語った。
これには尾野も深く頷き、「この間の舞台挨拶で、お父さん(井浦)と『あみ子をちゃんと羽ばたかせてあげようね』と約束して今日来たのですが、あみ子がいないんです。だから、あみ子はきっとまだ行きたくないんだなって。でも、これで皆さんがあみ子を知って、あみ子を見て、ここからどんどん大きくなるんだと思います。これからたくさんのお母さん役の方に『お母さん愛してるよ』って言うんだと思うとすごく寂しくて。私だけのあみ子だったのに。でもそれが私たちにとってとても嬉しいことで、喜ばないといけないことなんだなと思っています」と涙ながらに語った。
「あみ子が好きすぎて」と言いながら涙を拭う尾野の姿に、会場も優しい空気に包まれる中、舞台挨拶は幕を閉じた。
■公開情報
『こちらあみ子』
新宿武蔵野館ほかにて全国公開中
出演:大沢一菜、井浦新、尾野真千子
監督:森井勇佑
原作:今村夏子
音楽:青葉市子
製作:ハーベストフィルム、エイゾーラボ
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:https://kochira-amiko.com