宮沢氷魚、『僕愛』『君愛』主人公役で声優初挑戦 橋本愛&蒔田彩珠がヒロインに

『僕愛』『君愛』声優に宮沢氷魚、橋本愛ら

 10月7日に2作同日公開されるアニメーション映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』のキャストとして、宮沢氷魚、橋本愛、蒔田彩珠の出演が発表された。

 乙野四方字による原作小説『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ハヤカワ文庫刊)は、“並行世界”を行き来することができる世界の同じ名前のふたりの少年が、それぞれの世界でひとりの少女と恋に落ちるラブストーリー。この2作品は前後編でもなくサイドストーリーでもなく、それぞれの物語が独立しているが、2作読むとふたつの世界が絡み合い交差して、お互いがお互いの世界を支え合っていることに気づく設定となっている。

 『僕が愛したすべての君へ』(以下、『僕愛』)は、タツノコプロ内で立ち上げた新スタジオレーベルBAKKEN RECORDが制作を手がけ、『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』の松本淳が監督を務めた。一方の『君を愛したひとりの僕へ』(以下、『君愛』)は、トムス・エンタテインメントが制作を手がけ、『ハチミツとクローバー』『のだめカンタービレ』などのカサヰケンイチが監督を務めた。2作ともに、脚本は『かぐや姫の物語』『フォルトゥナの瞳』の坂口理子、キャラクター原案はshimanoが手がけている。

 『僕愛』と『君愛』は、人々が“並行世界”を行き来していることが実証された“ふたつの世界”の“ひとつの物語”。両親が離婚し、母親と暮らす高校生の高崎暦(たかさきこよみ)。ある日、クラスメイトの瀧川和音(たきがわかずね)に声をかけられる。85番目の並行世界から移動してきたという彼女は、その世界で2人が恋人同士であると告げる。一方、両親が離婚し、父親と暮らす小学生の日高暦(ひだかこよみ)。ある日、父の勤務先で佐藤栞(さとうしおり)という少女と出会う。お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。ふたりは兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断するが……。

 本作の主人公である暦を、『his』(2020年)や『騙し絵の牙』(2021年)、現在放送中のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)に出演し、第45回日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞、本作が声優初挑戦となる宮沢が1人2役で演じる。宮沢は「原作も脚本も気づけば何度も読み返すほど面白かった」と本作の魅力を話し、初挑戦のアフレコを終えて「まず、最初に驚いたのは、映像に合わせてセリフを言うことの難しさです。普段、アニメを観ているときにはその難しさや大変さに全く気づかなかったので、声優さんの凄さを改めて知った気がします」と語った。

映画『僕が愛したすべての君へ』新特報映像

 『僕愛』で暦と恋仲になるヒロイン・和音は、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)や『リトル・フォレスト』シリーズ、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK総合)、大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)、『青天を衝け』(NHK総合)などの橋本が担当する。橋本は「初めてではないのですが、アニメーション映画の声のお仕事をずっとやりたかったので、“夢が叶った!”という気持ちになりました。本当にありがたい、と思うと同時に、緊張もかなりしましたし、色んな世界の和音の心を理解して、体に入れる作業は新鮮でした」と語った。

映画『君を愛したひとりの僕へ』新特報映像

 そして、『君愛』で暦と恋仲になるヒロイン・栞は、『万引き家族』(2018年)、『朝が来る』(2021年)、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)や、ドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の蒔田が担当する。2度目の声優挑戦となる蒔田は、「また違う作品をやってみたいと思っていたのでとてもうれしかったです。その時は小学生役だったので、大人の役もやってみたいという気持ちもあって、アフレコが始まるのを楽しみにしていました。暦役の宮沢さんと掛け合いができたので、感情の入れ方などは自然に調節することができました」と語った。

『僕愛』『君愛』

宮沢氷魚(高崎暦/日高暦役)コメント

宮沢氷魚

原作や脚本を読んで、魅力を感じたところ

パラレルワールドをテーマにした物語に惹かれました。僕も、自分が自分じゃない世界線や違うワールドにいる自分とどんな風に交わるのかとか、自分が今生きている毎日がすべてなのかと考えることが普段から結構多くて。それを自分の中でうまく整理したり、納得のいく説明ができずにいたのですが、原作と脚本を読んだ時に「こういう捉え方、理解の仕方がある」とすっと落とし込むことができました。暦、栞、和音の3人を軸に、彼らがどのように自分たちの人生を歩んでいくのかが見どころだと思いました。原作も脚本も気づけば何度も読み返すほど面白かったです。

『僕愛』『君愛』それぞれの暦の印象

人は育った環境によって、性格や考え方も変わってきます。どちらも暦ではあるので、ベースは変わらないのですが、別の道を選び、違う人生を送る二人の暦の演じ方、表現の仕方はすごく悩みましたが、すばらしい画と台本、この二つを信じて、演じました。演じ分けたというよりも、物語の流れに身を任せていれば、自然に変化が出てくることに気づき、作り込むよりも、一つ一つのシーンを大事に丁寧に演じることを心がけました。物語の流れに任せることで、自然と二人の暦にたどり着くという不思議な感覚がありました。

アフレコで難しかった点、工夫した点

声優は初めてでしたが、まず、最初に驚いたのは、映像に合わせてセリフを言うことの難しさです。普段、アニメを観ているときにはその難しさや大変さに全く気づかなかったので、声優さんの凄さを改めて知った気がします。あとは、台本をめくるときに音を立てないように、最後のページの最後の行を覚えてめくるとか、めくった先のページの1行目を覚えておいて、台本を見なくてもしゃべれるようにするとか、そういう工夫はできるようになりました。紙のめくり方のテクニックも身についた気がします(笑)。

橋本愛(瀧川和音役)コメント

橋本愛

オファーを受けた時、アフレコを終えた今での気持ちの変化

初めてではないのですが、アニメーション映画の声のお仕事をずっとやりたかったので、「夢が叶った!」という気持ちになりました。本当にありがたい、と思うと同時に、緊張もかなりしましたし、色んな世界の和音の心を理解して、体に入れる作業は新鮮でした。収録が始まり、監督やスタッフのみなさんから「すごく素敵だね」とおっしゃっていただき、本当に救われました。何より、私自身が楽しく演じられたことが一番うれしかったです。

具体的に準備をしたこと

物語にはいろいろな世界の和音が登場するので、どの時間軸でどの和音を描いているのかを整理するところから始めました。役作りの軸は普段と変わらずでしたが、無意識下の意識のような深い部分で、全ての和音が繋がっているということは、常に頭の中に据え置いてアフレコに臨みました。

アフレコの難しかった点、工夫した点

監督、スタッフのみなさんが、長い時間をかけて作り続けてきた作品なので、みなさんの中にある和音の声のイメージと、私が和音の魂や精神を反映して演じた声とのイメージがすれ違うこともあり、擦り合わせることがとても難しかったです。その過程で、「もっと理系の女性みたいな感じ」とか「ちょっと硬い感じ」などの方向性に関しては、その声に辿り着くためのロジックがなかなか見つけられなくて、苦戦しました。改めて、声のお仕事をされている方々って本当にすごいなと、尊敬の気持ちがより一層強くなりました。

蒔田彩珠(佐藤栞役)コメント

蒔田彩珠

オファーを受けた時の率直な気持ち

以前、声優のお仕事をさせていただいたときに、また違う作品をやってみたいと思っていたのでとてもうれしかったです。その時は小学生役だったので、大人の役もやってみたいという気持ちもあって、アフレコが始まるのを楽しみにしていました。

アフレコと原作や脚本から感じる「栞」の印象の違い

声を入れるまでは妹のような感じで暦くんに甘えている印象があったのですが、実際に演じてみると、暦くんに心配かけないように自分の中で気持ちを抑えて、明るく振る舞っているところも感じられ、寂しさやつらさが伝わってきました。

アフレコで難しかった点、工夫した点

暦役の宮沢さんと掛け合いができたので、感情の入れ方などは自然に調節することができました。とてもやりやすくてありがたかったです。先にいただいた映像を観ながら、家で何度も何度も練習して、気合を入れてアフレコに挑みました。

監督から「栞」の演じ方についてリクエストは

監督の指示は的確ですごくわかりやすかったです。お芝居はいいけれど口が合っていない、表情が変わったときにはどのように声に変化をつければいいのかなど、観る人に伝わるようにどう演じるのが良いのか、丁寧にアドバイスしていただきました。

宮沢氷魚
橋本愛
蒔田彩珠
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■公開情報
『僕が愛したすべての君へ』
10月7日(金) 全国公開
原作:『僕が愛したすべての君へ』乙野四方字(ハヤカワ文庫刊)
監督:松本淳
キャスト:宮沢氷魚、橋本愛
脚本:坂口理子
キャラクター原案:shimano
制作:BAKKEN RECORD
配給:東映
(c)2022「僕愛」「君愛」製作委員会

『君を愛したひとりの僕へ』
10月7日(金) 全国公開
原作:『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字(ハヤカワ文庫刊)
監督:カサヰケンイチ
キャスト:宮沢氷魚、蒔田彩珠
脚本:坂口理子
キャラクター原案:shimano
制作:トムス・エンタテインメント
配給:東映
(c)2022「僕愛」「君愛」製作委員会

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