間宮祥太朗の“特服”にさようなら 愛に溢れた『ナンバMG5』らしい泣き笑いの最終回

泣き笑い、愛に溢れた『ナンバMG5』最終回

 筋金入りのヤンキー一家「難破家」の次男・剛(間宮祥太朗)が家族に内緒で健全な高校に入学する物語『ナンバMG5』(フジテレビ系)が最終回を迎えた。放送を重ねるごとに、視聴者の心をぐっと掴んだ同作。涙と笑いなしでは観られない最終回について、余すことなく語らせていただきたい。

 まず触れたいのは、開始早々に流れた、剛の二重生活を振り返るような回想シーンだ。誰にも本当のことを言えないまま始めた白百合高校での“シャバい”姿での高校生活、新たな強みを知った美術部での活動、二重生活の秘密を知り支える伍代(神尾楓珠)と大丸(森本慎太郎)の存在、いつも側にいた家族……。剛にとっては、どれも失いたくないほどに大切だった。

 そんな剛の心境と、番組主題歌を担当したWANIMAの「りんどう」がマッチしていた。「底知れない深い谷」で、拭いきれない孤独の中「生きて生きて生き抜いて」きた剛の高校生活。前回の放送から1週間、視聴者の思いは変わることなく「どうか剛にとっての幸せが舞い戻ってきてほしい」ことを強く再確認させてくれた2分半に感じた。

『ナンバMG5』10話

 剛の幸せを願うのは、視聴者だけではない。島崎(春本ヒロ)や藤田深雪(森川葵)をはじめとする白百合高校の生徒も一緒だった。

 まず行動に出たのは、“特服”に憧れる元いじめられっ子の島崎だった。全校集会で校長の岩城隆一郎(松角洋平)が剛の退学処分を発表したときに、「難破からも話聞いたんですか?」「あいつは理由もなく暴力を振るうやつじゃありません」と叫んだ島崎。前話で小暮翔(東啓介)と石黒正(鈴之助)率いるヤンキー集団が乗り込んできたときに「動けないや……」と言っていた島崎にとって、全校生徒の前で声を上げること、納得いかないからと言って教師に反発することはどれだけ勇気がいることだったのだろう。“特服”に「舎弟にしてください!」と懇願していた島崎が剛から学んだのは、大切なものを守る覚悟だったのだと感じさせた一幕だった。

 そんな島崎の勇気ある行動に感化されてか、藤田深雪や守田巻(富田望生)ら、クラスメイトは「退学を取り消すまで動かない」と体育館に立てこもる。少しずつ時間をかけて賛同した牧野弥生(鈴木ゆうか)ら後輩たちや吟子(原菜乃華)のクラスメイトも加勢。それだけにとどまらず、一部教師らが「なかなか熱心な生徒なんです」と処分を覆そうとしていたのが印象的だった。

『ナンバMG5』10話

 なぜ、クラスメイトや教師たちは、そこまでしたのだろう。答えは、藤田が復学を迷っている剛に告げた「私たちみんな、難破くんが好きで白百合にいてほしいと思ったから頑張ったんだよ」の一言に尽きるだろう。二重生活を1人で抱えていたのは剛本人だけ。剛がどんな姿であれ、仲間たちはしっかりと剛を愛しているのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる