北川景子、『ラーゲリより愛を込めて』で二宮和也の妻役に 2人が涙する特報映像も公開

 12月9日に公開される二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』に北川景子が出演することが決定し、あわせてティザービジュアルと特報映像が公開された。

『ラーゲリより愛を込めて』

 本作は、1945年に零下40度を超える厳冬のシベリアで、死と隣り合わせの日々を過ごしながらも、家族を想い、仲間を想い、希望を胸に懸命に生きる男・山本幡男の壮絶な半生を描いた物語。

 第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留され捕虜となった。しかし、山本はあまりにも残酷な日々に誰もが絶望する状況下においても、ただ一人、生きることへの希望を捨てなかった人物だ。収容所での劣悪な環境により栄養失調で死に逝く者や自ら命を絶つ者、さらには日本人捕虜同士の諍いも絶えない中、「どんなに辛いことがあっても、生きて帰るという希望を持ち続けることが大切なんだ」と生きることへの希望を強く唱え続け、仲間たちを励まし続けた。自身も強制収容所に身を置き、わずかな食糧で1日10時間を超える過酷な労働を強いられていたが、仲間想いの行動とその力強い信念で多くの捕虜たちの心に希望の火を灯した。

 北川は『探偵はBARにいる3』(2017年)で第41回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、NHK大河ドラマ『西郷どん』では天璋院篤姫役を演じている。本作では、山本幡男(二宮和也)の妻・山本モジミを演じる。第二次世界大戦中に家族と共にハルビンで過ごしていた中、突然の空襲を受け、幡男と「日本で落ち合おう」と約束を交わして離れ離れになる。幡男はそのままシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留されたため生存状況がわからない中、幼い4人の子供たちと共に激動の時代を懸命に生き抜いた、実在の女性を演じる。

 北川は「一歩外に出れば、どこまでも続く広い海で、この海も、空も、ラーゲリに繋がっているだろうか、あの人もまた同じ海を、空を、見ているだろうかと、想いを馳せながら過ごした日々だったのではないかと思いながら演じました」とコメントし、モジミの心情に寄り添った深い役作りを行い、撮影に挑んだ心境を覗かせた。さらに、初共演となった二宮について、「お会いした日からもう幡男さんでした。ああ、モジミさんはこの人を愛したのだなと、二宮さんを見て理解しました。そういう意味では役作りには苦労しませんでした」と称賛した。

 そんな北川について、瀬々敬久監督は「モジミ像をとてもチャーミングに演じてくれました。それはかつての良妻賢母のイメージだけではなく、今を生きる女性像に通じる姿だと思います」と評価し、平野隆プロデューサーは「彼女の気高い力強さがこの映画の裏動線を支えてくれると確信していました」と絶賛した。

映画『ラーゲリより愛を込めて』特報1【12月9日(金)公開】

 公開された特報映像では、シベリアの猛吹雪の中で倒れる仲間に肩を貸し、ロシア語で必死に訴えかける幡男(二宮和也)の姿が映される。そして、夫の帰国を信じて疑わないモジミ(北川景子)と、約束を忘れずモジミを想う幡男、遠く離れた場所にいる互いへ想いがあふれ、涙する2人が映し出されている。

 あわせて公開されたティザービジュアルには、「帰国(ダモイ)を、信じて」というキャッチコピーとともに、手紙を手に遠くの地へ想いを馳せる幡男とモジミの姿が描かれている。

コメント

北川景子

この作品は、沢山の愛の物語です。脚本を読み、終戦後10年が過ぎてもダモイ(帰国)への希望を捨てなかった男たちの、故国への、妻への、子どもへの、母への、それぞれの想いに胸が締め付けられました。どのような厳しい状況に置かれても、明るく、前向きに、諦めないこと、生きる希望を捨てないこと。それはとても難しいことだと思います。山本幡男さんは、温かく、優しく、強い人だと思います。幡男さんの言葉の一つ一つは、現代の社会で生きる私たちにも必要な教えばかりでした。幡男さんから生きる希望をもらった仲間たちの、幡男さんへの熱い想い、妻モジミさんの夫を信じ続ける強い気持ち、愛に溢れた温かい物語です。

モジミさんは子ども4人を抱えながらも、希望を決して捨てず、「必ず帰る」という幡男さんの言葉を信じ夫の帰りを待ち続けました。子どもが4人もいる戦後の生活は決して楽ではなかったと思いますが、持ち前の明るさと大らかさで、教員の仕事もこなし、家事(苦手だったようですが)も義母の助けを得ながら一生懸命にやられていたそうです。なんて前向きで、強い人なのだろう、私も同じ状況で同じようにポジティブに考えられるだろうか?家庭と仕事の両立で切羽詰まっていた私には目から鱗の明るさでした。モジミさんは海に囲まれた場所で育ち、戦後も隠岐島で過ごしたそうです。美しい海が広がり、風が通る場所で育ったから、モジミさんもひらけた大きな心を持っていたのかもしれません。一歩外に出れば、どこまでも続く広い海で、この海も、空も、ラーゲリに繋がっているだろうか、あの人もまた同じ海を、空を、見ているだろうかと、想いを馳せながら過ごした日々だったのではないかと思いながら演じました。二宮さんとは初の共演でしたが、お会いした日からもう幡男さんでした。ああ、モジミさんはこの人を愛したのだなと、二宮さんを見て理解しました。そういう意味では役作りには苦労しませんでした。

私は所々の出演でしたし日本で帰国を待つ側でしたので、子どもたちとの楽しい家庭での何気ないシーンや、幡男さんとの若かりし頃の幸せなシーンなどがあって楽しい撮影でした。
瀬々監督と初めてご一緒しましたが、作品作りに妥協のないストイックさと、冗談を言って組を笑わせてくださるお茶目なところ、私は先にアップしてしまったのですがもう少し見ていたかったです。そして何より、主演の二宮さんと、二宮さんの周りの男性陣がとんでもなく魂を燃やして、命を削って演じられている姿を早く皆様に見ていただきたいです。憂うことの多い昨今だからこそ、必要な作品だと感じます。真っ直ぐな人間の愛に包まれ、癒され、温かい気持ちになっていただけると思います。一人でも多くの方にこの作品が届く事を願っています。

瀬々敬久監督

山本幡男さんの長男、顕一さんから伺ったモジミさんの逸話はどれも人間味溢れるものでした。小学校の先生だったが音楽と図工は苦手だった。家では料理が不得手でどこかドジ。それでも気丈に家族を守り続けた。一度だけ子供たちに涙を見せた。畳の上をのたうち回るようにして泣いた。北川景子さんは、そんなモジミ像をとてもチャーミングに演じてくれました。それはかつての良妻賢母のイメージだけではなく、今を生きる女性像に通じる姿だと思います。

平野隆プロデューサー

北川景子さんがクランクアップした時、彼女がこの役を引き受けてくれたことに心から感謝しました。そしてもし彼女でなかったらと想像し身震いしました。私は北川さんと多くの映画をご一緒させて頂いていたので、彼女の気高い力強さがこの映画の裏動線を支えてくれると確信していました。山本幡男さんはモジミさんに「君はこの十年間よく辛抱して闘いつづけてきた。超人的な仕事だ」という言葉を送っています。まさにこの映画のラストで北川さんは超人的な仕事をしてくれたと思います。

■公開情報
『ラーゲリより愛を込めて』
12月9日(金)全国東宝系にて公開
出演:二宮和也、北川景子ほか
原作:『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(辺見じゅん著/文春文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫
企画プロデュース:平野隆
制作プロダクション:ツインズジャパン 
配給:東宝
(c)2022『ラーゲリより愛を込めて』製作委員会 (c)1989清水香子
公式サイト:http://lageri-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/lageri_movie/

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