『六月の蛇』20周年記念上映が決定 塚本晋也監督「黒沢さんの魂の叫びを存分に浴びて」

『六月の蛇』20周年記念上映決定

 塚本晋也監督作『六月の蛇』の公開20周年を記念して、各地で上映が行われることが決定した。

 2002年に発表された『六月の蛇』は、『鉄男』『野火』などの塚本監督7作目の長編作品。

 心の健康センター電話相談室で働くりん子(黒沢あすか)は、夫(神足裕司)と高級マンションで恵まれた生活を送っていた。そんな彼女の元にある日、一通の封筒が届く。そこにはりん子が自慰にふけるあられもない姿が写し出されていた。その日からりん子の恐怖の日々が始まる。男に脅迫され、短いスカートをはいて街を歩かされ……りん子はやがて、満たされていると信じて疑わなかった生活の中で圧倒的な孤独に気づいていく。

 6月の降り続ける雨の中、自らの中にある叫びを解放していく女の姿を描いた本作。全編ブルートーンのモノクロームで描かれ、2002年の第59回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。

 日本での公開時は、塚本自身による小説版も発刊。20周年を記念する2022年、イタリアの名門出版社マルシリオからイタリア語版が発刊され、今月5月にはヴェネチアで開催された第12回カフォスカリ国際短編映画祭で、出版を記念したシンポジウムが開かれ、映画も上映された。

 タイトルにある6月の季節を皮切りに、フォーラム仙台、別府ブルーバード、池袋新文芸坐、鹿児島ガーデンズシネマ、札幌シアターキノ、大阪シアターセブン、名古屋シネマスコーレで上映が行われる。なお、6月11日19時30分からの新文芸坐での上映では、塚本監督の舞台挨拶も実施される。

塚本晋也監督 コメント

『六月の蛇』は、ヴェネチア映画祭で初めて上映された時、非難の嵐になる可能性もあるとドキドキしましたが、大きな賞をいただき、主演の黒沢あすかさんが現地でもすごい人気者になったのが嬉しい思い出です。このたび20周年を迎え、大きなスクリーンに甦ります。劇場空間で、降り続ける雨に包まれ、黒沢さんの魂の叫びを存分に浴びていただきたいと思います。

六月の蛇
六月の蛇
六月の蛇
六月の蛇
カフォスカリ国際短編映画祭
六月の蛇
『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』公開当時のチラシデザイン
カフォスカリ国際短編映画祭シンポジウムの様子
『六月の蛇』イタリア語版小説表紙
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『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』場面写真
『六月の蛇』公開当時のチラシデザイン
カフォスカリ国際短編映画祭シンポジウムの様子
『六月の蛇』イタリア語版小説表紙
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※塚本晋也の「塚」は旧字体が正式表記。

■公開情報
『六月の蛇』
監督・脚本・製作:塚本晋也
出演:黒沢あすか、神足裕司、塚本晋也ほか

【6月の上映】
フォーラム仙台:6月3日(金)〜6月9日(木)1週間
別府ブルーバード:6月3日(金)〜6月9日(木)1週間
池袋新文芸坐:6月11日(土)19:30レイトショーにて1回上映(上映後、塚本晋也監督舞台挨拶あり)
鹿児島ガーデンズシネマ:6月11日(土)、6月12日(日)
札幌シアターキノ:6月24日(金)
大阪シアターセブン:6月25日(土)〜7月1日(金)1週間
名古屋シネマスコーレ:6月25日(土)〜7月1日(金)1週間

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