『なつぞら』から『ちむどんどん』へ 池間夏海、山田裕貴、戸次重幸の朝ドラ再出演に注目

池間夏海ら“朝ドラ再出演”の醍醐味

 沖縄に暮らす四兄妹の日々を描くNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。沖縄が舞台ということもあり、ヒロイン・暢子役の黒島結菜をはじめ、暢子の母・優子役の仲間由紀恵、サンセットバーガーのマスター・川田広樹(ガレッジセール)など沖縄出身のキャストが数多く出演している。知っている空気感の中にいるからだろうか、彼らがより一層、のびのびとしているように見え、本作の“沖縄らしさ”をさらに印象付けている。一方で、特徴的なのが沖縄とは正反対の北海道が舞台となった朝ドラ『なつぞら』に出演していたキャストが、この朝ドラに再出演していることだ。

 沖縄出身であり、『なつぞら』キャストでもあるのが池間夏海。『なつぞら』では、主人公・なつ(広瀬すず)の親戚である川谷幸子を演じていた。幸子は、なつが生き別れた妹・千遥(清原果耶)を探す中で訪ねた家から出てきたため、この子こそが千遥なのではないかと憶測を呼び、大きな話題となった。

 池間が『ちむどんどん』で演じたのは、南山原高校の料理部部長・屋良ひとみ。暢子と早苗(高田夏帆)らの料理部が参加する大会に出場するライバルだ。地元の有力企業のひとつ、屋良物産の娘でもあるひとみは、誰しもが認めるお嬢様なのだが、池間の白く透き通った肌やぱっちりとした目の、“圧倒的美少女ビジュアル”からそれがビンビンに伝わってくる。料理大会では、暢子たちに静かなる闘志を燃やしており、あまりしゃべらないが、発する一言一言が氷のナイフのように鋭く、冷たい。そんな彼女も、暢子たちの作った「やんばるそば」を食べて若干の動揺を見せる。見せてはいけない、見られたくない動揺を、池間は目線と瞬きという小さな所作で確かに表現。池間の演技力が光った瞬間だった。

 暢子の姉・良子(川口春奈)と、もどかしいやりとりをする友人・石川博夫を演じているのは、『なつぞら』でなつの幼なじみ・小畑雪次郎を演じた山田裕貴。熱い性格で、「これ!」と決めたらまっすぐ突き進む雪次郎とは異なり、博夫は穏やかで優しい。小さい頃から、雪次郎より破天荒な兄・賢秀(竜星涼)に振り回されてきた良子が惹かれるのも頷ける。

 『なつぞら』以降もさまざまなドラマや映画に出演してきた山田は、演技の幅を広げ、どんな場面でも、どんな役柄でも、馴染んでいるのに存在感を作り出せる稀有な俳優となっている。今後、博夫がどんな一面を見せてくるのか、良子の関係性とともに気になるところである。

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