増田貴久が絶妙に振り回されまくる 『吉祥寺ルーザーズ』のドタバタコメディ劇

増田貴久が振り回される『吉祥寺ルーザーズ』

 増田はこの“振り回される”演技が格段に上手い。聡は時々フラッシュバックする女子高生たちの声に悩まされている。国語を教えていた学校で何かがあったようだ。そんな聡の姿に『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)で増田が演じた石川透を思い出す。透は警察官として被害者を守るため、被疑者を捕らえるために奔走するが、自分の発砲により人を殺してしまったこと悔やみ、段々と追い詰められていく。自分の中で自分に振り回され、己の制御ができなくなっていく透。透と聡に似たものを感じ、なぜか聡にも同じような未来が待っているのではないかと考えてしまうのだ。

 結局、舞が無事ということは分かったが、シェアハウスには帰ってこなかった。しかも舞を訪ねて調査会社の男(坪倉由幸)がやってきて、「彼女は大きな犯罪に巻き込まれようとしています」と不穏なことを言い残していった。舞がどこにいるか、何を隠しているのかの謎は次回に続く形となった。

 6人が少しずつ仲良くなっているからなのか、シェアハウスはドタバタしつつもなんだかんだで穏やかだ。だが、要所要所にあるそれぞれのちょっとした闇や謎がピリッとしたスパイスになって、いつの間にかこのドラマの続きが見たい気持ちになってしまっている。もし、このドラマの初回を観て、シェアハウスに住む“ルーザーズ”6人の強すぎるキャラに気後れし、観るのをためらってしまっている人がいれば、今からでもこのドラマを観ることをおすすめしたい。

■放送情報
ドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06〜23:55放送
Paravi、ひかりTVにて、地上波放送終了後配信
出演:増田貴久、田中みな実、片桐仁、田島芽瑠、濱田マリ、岩本蓮加(乃木坂46)、國村隼
企画・原作:秋元康
監督:佐藤祐市(共同テレビ)、松木創(共同テレビ)、小林義則(共同テレビ)
脚本:池田テツヒロ
音楽:信澤宣明
主題歌:Awesome City Club「ランブル」(cutting edge)
オープニングテーマ:NEWS「LOSER」(Johnny’s Entertainment Record)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:稲田秀樹(テレビ東京)、橋本芙美(共同テレビ)、村木美砂(共同テレビ)
制作:テレビ東京、共同テレビ
製作著作:「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会
(c)「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kichijoji_losers/
公式Twitter:@tx_losers
公式Instagram:@tx_losers

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