『呪術廻戦』がテレビに帰ってくる! 劇場版からの人に伝えたい「呪胎戴天編」の見どころ

 呪術師ごとに違った術式があるという部分は、ライトノベルやアニメの異能バトルでもよくあるフォーマットだ。タイプの異なる力を組み合わせることで、ひとりではかないそうもない敵を倒すチームバトルへと向かうのかと期待させるが、第4話「呪胎戴天」と第5話「呪胎戴天-弐-」で3人はいきなり絶望的な状況へと叩き込まれる。

 少年院に出現した特級呪霊の呪胎に捕まった受刑者を助けに、高専生の身でありながら派遣された虎杖、伏黒、釘崎の3人だったが、特級呪霊が作り出した生得領域の中に引きずり込まれ、命の危機にさらされる。苦戦どころか身動きひとつとれない状態の中、虎杖は死刑を言い渡された理由となったある力を引き出して戦おうとする。

 それが、特級呪物“両面宿儺”の力。とてつもないパワーを与えるのと引き替えに、虎杖という存在そのものへの危機をもたらす。『デビルマン』でデーモン族と合体した不動明が、いつか悪魔となって人間を襲い始めるのではないかといった不安を漂わせ、『怪獣8号』で日比野カフカが、怪獣に寄生されることで怪獣を戦えるパワーを得たものの、心を怪獣に奪われる危険性を振りまいていることに重なる状況が出現する。

 そして繰り広げられるバトルがとにかく凄まじい。蹴られ殴られた伏黒が建物を破壊しながら吹き飛んでいくシーンなど、『劇場版 呪術廻戦 0』にもなかったくらいの派手さと迫力を持っている。制作を手がけているMAPPAが誇る高い作画力を感じられるだろう。

 そしてもたらされる、衝撃的な事態にどうなってしまうのかと驚くが、そこはご安心。物語はしっかりと続き、劇場版でカッコ良さを見せつけてくれた五条のとてつもない強さが第7話「急襲」で発揮される。劇場版にも登場した禪院真希や狗巻棘、パンダといった呪術高専の2年生陣が合流し、劇場版で京都を襲った百鬼夜行を相手にしていた藤堂葵ら呪術高専京都校の面々も登場して、対抗戦を行う「京都姉妹校交流会編」へと流れていく。

 一方で、呪術界に挑む敵の姿も見えてくるが、その中心にいる存在が、劇場版でシリーズに入った人には驚きを与えるだろう。いったいどういうことなのか。今度はどんな騒動を起こそうとしているのか。オープニングにも登場するその存在や、高専生とは明らかに違う姿の呪霊たちに興味が浮かんだら、もう完全に『呪術廻戦』の世界にハマり込んでいる。

 第1期を見終わってからも、2023年放送という第2期を待ちわびつつ、原作漫画にも手を出しつつ完結の時まで追い続ける熱い「呪術ファン」が、続々と誕生しそうだ。

■放送情報
『呪術廻戦』第1期
MBS・TBS系にて、4月3日(日)より毎週日曜17:00〜再放送
原作:『呪術廻戦』芥見下々(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:朴性厚
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史
副監督:梅本唯
美術監督:金廷連
色彩設計:鎌田千賀子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:兼田美希、木村謙太郎
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:堤博明、照井順政、桶狭間ありさ
音響監督:藤田亜紀子
音響制作:dugout
制作:MAPPA
(c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp

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