『ミステリと言う勿れ』去っていくライカの後ろ姿が切ない 涙を溜めた菅田将暉の瞳

『ミステリ』涙を溜めた菅田将暉の瞳

 桜の花びらが舞い散る中、整(菅田将暉)の心には小さな変化が生まれていた。『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の第10話では、整とライカ(門脇麦)が入った焼肉店が実は強盗にあっていたことが発覚。そして整には、いよいよライカとの“永遠の別れ”が訪れる。


 ライカと初詣に行くことになった整は、これはデートなのではないかと動揺しながらも意気揚々と向かう。そこで2人はお参りをし、おみくじを引き、たこ焼きを食べるなど何気ない時間を過ごしていた。しかし帰りに立ち寄った焼肉店で事態は一変。その店は強盗にあっている最中で、店主と思われていた男性は実は犯人(堀部圭亮)だったのだ。その異変に気付いた整とライカは、警察に通報し店員の女性(志田未来)を救助する。


 これまでにいくつもの「ミステリ」を共有し、お互いに暗号で話すなど気の合う様子を見せていた整とライカ。気持ちはどちらか一方のものではなく、互いが心のどこか深い部分で惹かれあっているようにも見えた。しかしこの日、ライカは自身が解離性同一性障害の病を持つ千夜子(門脇麦)の“別人格”であることを告白。実はライカという人物は存在せず、千夜子の中の人格の1人にすぎないということが明らかになった。過去に辛い経験をした千夜子の苦しみを一身に背負うために生み出されたライカは、千夜子の心の回復と共に消失しなければならない。ライカが消えることの本当の意味を知った整は、それでもライカの夢は千夜子が幸せになることだと理解し “永遠の別れ”を受け入れた。

 自らをカメラ(ライカ)と名乗り、痛みを引き受けてきたライカは、整と交流することで次第に喜びや楽しみの感情を知り、消えたくないと感じ始めていた。しかしそれは叶わない願いだった。なぜなら、ひとりの人間の中身は、ひとつの人格でいないと心のバランスは保てないもの。一方で整にもまた、ライカとの交流で小さな変化が現れていた。他者と感情を共有する楽しみを知ったのだ。整はこれから、理屈や知識ではねじ伏せられない気持ちの震えというものを理解し、それがどれほどコントロール不能なものかを知っていくのだろう。天達(鈴木浩介)はそんな整に「自分を知る旅だよ」と声をかけた。

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