Netflixが詐欺行為へ注意喚起? 深堀りせずにはいられない実録ドラマ『令嬢アンナの真実』
Netflixを通して詐欺を理解する
登場人物だけでなく、アンナが詐欺を働いていた頃の社交界やインフルエンサーを取り巻く動き、大規模な詐欺に引っかかったときの被害者の心理状態を理解する必要もあるだろう。ご丁寧にも、Netflixは伏線をはるように詐欺をテーマにしたコンテンツを多数用意している。
たとえば、『令嬢アンナの真実』エピソード4に登場する「バハマの大規模フェス」は、Netflix映画『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』で描かれたFYREフェスのことだ。アンナとフェスの発起人であるビリーは、一時期一緒に住んでいたことがあるという。
芸術に精通しており洗練された社交界の人たちでさえ簡単に騙せてしまうのは、『だましだまされアート界:贋作をめぐる物語』を通して学ぶことができる。アンナのように芸術を見極める目を持っている人は一目置かれる。
金を持っている人に金を貢いでしまう心理状態はNetflixのドキュメンタリー映画『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』で学ぶことができる。恐怖でターゲットの心理状態を極限状態まで追い込み、支配下に置く方法はNetflixリミテッドシリーズ『究極のペテン師:人を操る天才たちの実像』でわかりやすく説明されている。
Netflixは、立て続けに詐欺をテーマにしたコンテンツを配信した。特に、2022年に入って『究極のペテン師:人を操る天才たちの実像』(1月18日)、『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』(2月2日)、『令嬢アンナの真実』(2月11日)と立て続けに3本配信されている。Netflixは、「#BlackLivesMatter」運動の時に黒人差別をテーマにした映画やドキュメンタリーを一気に配信し、関連作品リストを公開した。
このことから、詐欺をテーマにしたコンテンツを同時期に配信したことは、詐欺撲滅や詐欺行為への注意喚起の意味もあるのではないかと考えてしまう。だとしたら、これら一連の詐欺コンテンツはまとめて観ておいた方がいいだろう。
■配信情報
『令嬢アンナの真実』
Netflixにて配信中
原作・制作:ションダ・ライムズ
出演:アンナ・クラムスキー、ラヴァルヌ・コックス、アレクシス・フロイド、ジュリア・ガーナー、ケイティ・ロウズほか
DAVID GIESBRECHT/NETFLIX(c)2021