少女が育てた卵から“謎の生物”が孵化 北欧ホラー『ハッチング―孵化―』場面写真公開
4月15日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開される北欧ホラー『ハッチング―孵化―』の場面写真が公開された。
2021年1月下旬に開催された第38回サンダンス映画祭でプレミア上映された本作。サンダンスでのワールドプレミア後に出品された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭(フランス)ではグランプリを受賞している。
北欧フィンランドに住む12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすために全てを我慢し自分を抑え、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。やがて卵は大きくなりはじめ、遂には孵化する。卵から生まれた“それ”は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく。
主人公の少女ティンヤを演じたのは、1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ。母親を喜ばせるために自分を抑制する、この年代特有の儚さやあやうさを、初演技ながら演じきっている。母親役は、フィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラ。理想の家族像を作り上げ、娘を所有物として扱う自己中心的な母親を体現した。監督を務めたのは、多くの短編作品を世界の映画祭に出品して高い評価を受け、今回が長編デビュー作となった新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。
公開された場面写真は、ティンヤと母親の仲睦まじそうな姿を捉える一方で、母から押さえつけられたティンヤが見せる恐怖の形相、ティンヤが持ち帰ってきた不思議な卵を自室のベッドで誰にも内緒で大事に育てていく様子、そしてティンヤが育てた卵が巨大化して“それ”がついに姿を現した衝撃的な瞬間、ティンヤが母親の恋人と向かい合う様子などを捉えている。母からの過度な期待に応えることに囚われているティンヤの内面や混乱がストーリーに大きく関わっていくが、“それ”とは何者なのか、その出現によりティンヤと一見洗練された家族を襲う恐怖の行方が気になるカットとなっている。
本作のプロジェクトの始まりは、2014年に開催されたイベントでの、監督と脚本家イリヤ・ラウチとの出会いだったという。そこで少年が鳥の卵を孵化させるというアイデア聞いたベルイホルム監督は、主人公を少女にすることを提案し、1人は脚本開発にとりかかった。ベルイホルム監督は、「物語は母と娘の2人の強い女性を中心に描いていて、この映画は鎧をまとい、対面を保つことをテーマにしています」と語る。さらに、「多くの観客、特に女性の方は、映画を通して誰かをコントロールしたい、喜ばせたいという衝動と、不完全な自分の姿を見せることへの恐怖に気づくことになると思います」と、本作が描き出すものを示唆するコメントを寄せている。
■公開情報
『ハッチング―孵化―』
2022年4月15日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開
監督:ハンナ・ベルイホルム
出演:シーリ・ソラリンナ、ソフィア・ヘイッキラ、ヤニ・ヴォラネン、レイノ・ノルディン
配給:ギャガ
原題:Pahanhautoja/英題:Hatching/2022年/フィンランド/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/91分/字幕翻訳:中沢志
乃/PG12
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公式サイト:https://gaga.ne.jp/hatching/
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