『アナと雪の女王2』なぜ北欧神話がモチーフに? 監督&プロデューサーが影響を受けた“自然の力”

『アナ雪2』監督&Pが語る制作の裏側

 『アナと雪の女王2』が11月22日に封切られ、2019年に公開された映画でナンバーワン、さらにディズニー・アニメーション史上歴代首位という大ヒットで好スタートを切った。アナとエルサというディズニー史上初となる2人のプリンセスの絆が描かれた前作に続き、本作ではエルサの魔法の力はどのように与えられたのか、その秘密を解き明かす冒険が始まる。その過程では、アレンデール王国やアナとエルサの家族の過去も明らかになっていく。

 前作から引き続き、本作の監督を務めることとなったジェニファー・リーとクリス・バック、そしてプロデューサーのピーター・デル・ヴェッコ。北欧にインスピレーションを受け、赤を基調とした「秋」の色彩で彩られた本作はどのように完成に至ったのか。予告編公開時から話題になっていたエルサが海に向かうシーンや、対照的なプリンセスであるアナとエルサの本作での「変化」について語ってもらった(※2ページ目に一部ネタバレあり)。

「アナはおとぎ話、エルサは神話的なキャラクター」

ーー制作にあたり、ノルウェー、フィンランド、アイスランドなどの北欧にリサーチ旅行に行ったそうですね。そこではどんなインスピレーションを得ましたか?

ピーター・デル・ヴェッコ(以下、ヴェッコ):続編である今回は、アナとエルサを中心に、キャラクターの変化や成長を描きたいと思っていたんだ。秋というのは一年の中でも、成熟していく、大人になっていくことを象徴する季節。彼女たちを取り巻く環境にも、彼女たちが感じていることを反映させたいなと。秋の北欧、特にノルウェーで紅葉した森の中を歩いた時にはその色彩を見て「魔法の森」というアイデアが浮かんできたよ。

クリス・バック(以下、バック):森の中を歩く体験はアナになったような気分だった。アナは魔法を持っていない「おとぎ話」のキャラクターなんだ。一方で、エルサは「神話」的なキャラクターで、アイスランドに行った時はここはエルサの世界なんだと思ったよ。神話的キャラクターというのは、世界が抱えているものをすべて引き受けて、なにか変化を起こし得る存在で、神話の中では時に悲劇で終わってしまうこともある。物語を掘り下げていくにつれ、おとぎ話/神話的、フィンランド、ノルウェー/アイスランド的というイメージがアナとエルサを描く助けになり、作品にいいコントラストを生んでくれたと思う。

ジェニファー・リー(以下、リー):ノルウェーの森では古の神話についても聞かせてもらって、そこから精霊たちもヒントも得たの。個人的に大きなインパクトを受けたのはアイスランドのほうで、私自身も、まるでホームにいるような落ち着きを感じた。恐怖や畏怖を感じる場所もあって、実際に氷河の上を歩いている時は、エルサだったらどんな気持ちだろう? と想像したの。神話的なアイスランドの世界や、風景や自然が持つ力が今回の続編の壮大なスケールに繋がりました。

ーー今回は海や氷河、ダムなどの表現が印象的で、「水」がモチーフになっていますよね。

Frozen 2 | Official Teaser Trailer

バック:そう、今回は「水」というのが大きなモチーフになったんだ。エルサは氷を操る魔法の力を持っているけれど、それはつまり「水と繋がることができる」ということでもある。オラフの「水には記憶がある」というトリビアをきっかけに、エルサは「自分は水を通して過去や記憶と繋がることができる」と知り、氷の彫刻などを作ることができたんだ。この物語は終始「水」というものが大事な役割を果たしていて、海のシーンでも、エルサと水馬となった精霊のノックが、最初は戦っているけれど、力をあわせて一つになって共に目的に向かっていくようにしたかったんだ。

ーー全体を通して暗く厳かなシーンが多い印象でしたが、それもアイスランドの厳しい自然から得たイメージだったのですか? 特にエルサが海に向かっていくシーンは、自然の過酷さを感じながらもとても美しかったです。

リー:その通りです。実際にアイスランドで黒い砂浜に立った時に、あたり全体が灰色に見えて、海にすごく力を感じた。海のほうが大地より高みにあるような存在感があったの。そこをエルサは渡っていかなければならない。あなたが褒めてくれた海のシーンは、実はアニメーション作業がすごく複雑だった(笑)。最初に絵コンテを作ったのがここのシーンだったけれど、最後まで終わらなかったくらい大変だった。あのシークエンスが象徴するのは、彼女の最後まで諦めない力、やりぬく力、勇気だと思う。いかに自分の中を深く掘り下げて力を見出して乗り越えていくのか、エルサが自分と向き合ったシーンだと私は理解しています。

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