深田恭子が第一線を走り続けている理由 “深キョン”ならではの甘い芝居

“深キョン”ならではの甘い芝居

 もう1つ、筆者が大好きな作品として『富豪刑事』(2005年/テレビ朝日系)も紹介したい。原作小説と異なる主人公を置いたドラマで深田が演じたのは、焼畑署捜査課新人刑事で、一代で巨万の富を築いた大富豪・神戸喜久右衛門の孫娘、神戸美和子。一般常識とかけ離れた金銭感覚を持ち、事件解決のためにバンバンお金を使いまくる様子には気持ち良さも感じるほど。天然な美和子には、ほわ~んとした独特の魅力ある深田の芝居がバッチリとハマっていた。余談だが、TVアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』で主人公・神戸大助の声優を務めた大貫勇輔が『ルパンの娘』で円城寺輝役を演じているのだが、「『富豪刑事』コラボだ!」と個人的に嬉しくなった。

 それ以外にも、ロリータ服での戦闘シーンが話題となった映画『下妻物語』や、恋愛経験がないピュアな役を演じた『ダメな私に恋してください』など、深田ではないと演じられないキャラクターたちが多数。さまざまな役をこなす“カメレオン俳優”ではないものの、「深キョンじゃないとダメ」だと思わせる唯一無二の魅力ある芝居が、深田が女優としてこれまで第一線を走り続けている理由なのではないだろうか。

 『ルパンの娘』で演じる華もまた、深田にしかできない役だ。いつまでもかわいらしい外見や独特の甘い芝居が、現実離れした設定でも違和感なく見られるファクターとなっている。また、あのボディラインを強調した泥棒スーツを、抜群のプロポーションで着こなしているのも「さすが!」だ。ぜひ劇場へ足を運び、深田恭子の魅力あふれる演技を楽しんでほしい。

■公開情報
『劇場版 ルパンの娘』
全国公開中
出演:深田恭子、瀬戸康史、橋本環奈、小沢真珠、栗原類、どんぐり(竹原芳子)、観月ありさ、市村正親、藤岡弘、(特別出演)、大貫勇輔、小畑乃々、岡田義徳、太田莉菜、マルシア、信太昌之、我修院達也、麿赤兒、渡部篤郎
原作:横関大『ルパンの娘』『ルパンの帰還』『ホームズの娘』(講談社文庫刊)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:サカナクション「ショック!」(NF Records / Victor Entertainment)
配給:東映
(c)横関大/講談社 (c)2021「劇場版 ルパンの娘」製作委員会
公式サイト:https://lupin-no-musume-movie.com/
公式Twitter:@lupin_no_musume
公式Instagram:@lupin_no_musume

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