『ドラゴン桜』が描く“変化”と“普遍性”  「7人全員合格」の結末になるか?

『ドラゴン桜』が描く“変化”と“普遍性”

  間もなく最終話を迎えるTBS日曜劇場『ドラゴン桜』では、東大合格を目指して奮闘する受験生の姿を通して、受験生を取り巻く“変わったもの”(変化)と“変わらないもの”(普遍性)が描かれている。

 彼らを取り巻く“変化”として挙げられるのが、2005年に放送された前作シリーズと、15年の時を経て“続編”として描かれる本作で取り入れられている勉強法だろう。

 前作でも「1日16時間」徹底して勉強する10日間の合宿、卓球やトランプをしながらの計算、競歩での公式暗記など東大合格のための“桜木メソッド”と呼ばれる突飛な勉強法が話題を呼んだ。

 それが、本作では桜木(阿部寛)が「ITを制する者が、受験も制する」と声高らかに言っていた通り、令和ならではのデジタル学習がどんどん登場する。

 英語力の向上にはアウトプットが必要であることから、何気ない日常を英語でSNSに発信するよう桜木は勧める。YouTubeの場合1日1投稿、Twitterであれば1日20ツイートと紹介されていたが、とにかく英語に慣れ親しむこと、“伝えたい”という思いから自然に学習意欲が刺激されることが狙いのようだ。実際に、桜木の「お前らYouTuberになれ」を受けてカタコト英語のラップをYouTubeに投稿するようになった東大専科の生徒・天野晃一郎(加藤清史郎)は、見事知らず知らずのうちに自身の英語力を引き上げることに成功、特にリスニングの場面でその積み重ねの効果が発揮されていた。英語“を”学ぶのではなく、英語“で”学ぶということだ。

 さらに、前作では考えられなかったスマホを取り入れた授業も展開された。オンライン学習アプリ「スタディサプリ」を活用すると学習履歴を見ることができ、自分が理解できている部分とそうでない部分が可視化され一目瞭然で把握できるのだという。「合格への近道は己の弱点を知ること」だと桜木は説いたが、最新ITを駆使した勉強法も理に適っていると言えるだろう。

 何事もそうだが、SNSも学習アプリも使い方次第で、自身の習慣に上手く取り入れることができれば、何も机の上で教科書に向かうスタイルだけが“学習”ではないことがわかる。

 特にSNSの特性として“双方向性”が挙げられるが、勉強に関しても、単に知識を詰め込む一方通行的なものではなく、“アクティブラーニング”のように双方向的で主体的な学びが受験勉強においてもより重視されていると言えるのかもしれない。ちょうど知識量を問う従来の「センター試験」が廃止され、2020年度から知識の使い方や思考力が問われる「大学入学共通テスト」が新たに導入されたところで、本作ももちろんこの大学入試制度改革を意識しているだろう。



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