坂口健太郎、『おかえりモネ』菅波は当たり役に 『とと姉ちゃん』と異なる結末なるか

坂口健太郎、菅波先生は最高の当たり役

 『とと姉ちゃん』(NHK総合、2016年前期放送)では、ヒロイン・常子(高畑充希)を癒す植物学者を目指す心優しい帝大生・星野武蔵を演じた坂口健太郎。丸眼鏡に学生服の真面目な姿が印象的で、新種の植物探しに情熱を傾ける武蔵はピュアそのもの。大阪帝国大学の研究職に呼ばれ、常子にプロポーズしたものの家族を置いて東京を離れられないと断られてしまったが、淡い初恋の思い出は残った。

 戦時中はインドネシアのスマトラに出征し、再就職した製薬会社で武蔵は結婚。一男一女をもうけたものの、妻が他界し、シングルファーザーとして奮闘しているときに常子と再会。再び親密になっていくが、子育てを優先させるため希望していた名古屋への異動が決まり、常子との別れが訪れる。

 ヒロインの相手役として、お似合いでこの2人なら幸せな家庭が築けるのでは? という期待が高まった時点で二度も別れを選ばなければならないという切ない展開だった。

 本作ではヒロイン・百音に厳しい態度で接していたが、それは自分自身に向けた言葉でもあるようで、実際には彼女をそばで支え、気象予報士になるための勉強をサポートしている。2人の関係が今後どう深まっていくのか、その答えが見つかるのはグラスの自然に氷が溶けるくらい時間がかかるのかもしれない。不器用な2人の成長と変化を見守るのも、それはそれで楽しくもある。

■池沢奈々見
恋愛ライター。コラムニスト。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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