長澤まさみ、山下智久、新垣結衣らが“突き抜けた存在”へ 『ドラゴン桜』が特別だった理由

『ドラゴン桜』は生徒役の人生をどう変えた?

 令和の教育界にあの男が帰ってくる。4月25日スタートの日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)では、弁護士の桜木建二(阿部寛)がコンプレックスや様々な事情を抱えた生徒たちと東大合格を目指す。桜木とともに東大専科を指導するのは水野直美(長澤まさみ)。長澤は2005年の前作では生徒役だったが、今回は桜木の右腕として登場する。

 受験勉強のバイブルとして旋風を巻き起こした『ドラゴン桜』は、長澤のほかに「東大クラス」の生徒役で山下智久、新垣結衣、小池徹平、中尾明慶、サエコ(現・紗栄子)が出演。16年後の現在も全員が第一線で活躍しており、その顔ぶれの豪華さは伝説のドラマと呼ばれるゆえんでもある。なぜ『ドラゴン桜』出身者がこれほどの結果を残すことができたのか? それぞれの経歴を振り返りながら考察してみたい。

 最初に断っておかなければならないのは、前作の時点ですでに6人は名の知れた存在だったということ。山下は、NEWSの一員で(のちにソロに転向)、『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)、『ランチの女王』(フジテレビ系)にレギュラー出演していたし、長澤は前年の2004年に映画『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒット。雑誌『ニコラ』(新潮社刊)モデルを経て芸能活動を本格化させた新垣や『WATER BOYS2』(フジテレビ系)、『ごくせん』(日本テレビ系)など学園ものに相次いで出演していた小池、現役女子高生としてバラエティー『学校へ行こう!』(TBS系)に出演していたサエコは全国区の人気があった。

 中尾にしても2000年に子役デビューし、『GOOD LUCK!!』(TBS系)で木村拓哉演じる主人公の弟を演じるなど大きな仕事は経験済み。以上を考えると、前作『ドラゴン桜』はあくまでも人気俳優を集めたキャスティングであって、成功は約束されていたように思える。しかし、それは違う。現在のスターが過去の学園ドラマにキャスティングされているのはよくある話だ。『ドラゴン桜』が特別なのは、キャストが出世したことではなく、成功のスケールが突出している点にある。

 前作以降、主演作をコンスタントに重ねてきた長澤は、映画『モテキ』や『海街diary』で清純派のイメージを塗り替え、2018年に放送された『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)は映画シリーズ化されてヒット。2020年には『MOTHER マザー』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得し、名実ともに国民的女優となった。山下については、こちらの記事(参考 :『ドラゴン桜』山下智久の演技は現在に繋がっていた? 作品のバトンは高橋海人へ)に詳しいため割愛するが、主演俳優・ソロアーティストとして結果を残し、満を持して海外に舞台を移している。

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