映画ファンの象徴的存在!? 山崎紘菜が『ブレイブ -群青戦記-』で体現した“意思の強さ”
そんな映画女優・山崎紘菜がヒロインを務めている『ブレイブ -群青戦記-』。先述したように彼女は過去に『神さまの言うとおり』でヒロインを務めているものの、同作は高校生が“謎の殺人ゲーム”に参加させられるという特異な物語であった。そして今作はというと、これまた高校生の生死を賭けた戦いが描かれる物語だ。山崎扮するヒロイン・遥は、主人公・蒼(新田真剣佑)らとともに、学校ごと戦国時代へとタイムスリップ。阿鼻叫喚の環境下で野武士たちと戦うことになる。
本作で興味深いのは、最終的には囚われの身となる遥だが、いわゆる“守られてばかりのヒロイン像”ではないこと。主人公の蒼は自分に自信がなく、遥をはじめとする周囲の者たちにそのことを気にかけられている。遥の方が活発な人間であり、この対比が面白いのだ。そしてこの関係性を実現させるているのが山崎なのである。彼女自身が生まれ持ったさまざま素質に拠るところが大きいのだろうが、山崎の声や佇まいには弱々しさよりも、なにか秘めた強さのようなものを感じる。彼女が演じることで、キャラクターの持つ“意思の強さ”を自然と体現しているように思うのだ。とうぜんのことだが、やはり作品内の山崎こそが映画女優として輝いているのである。
山崎といえば、上白石姉妹や浜辺美波など、勢いを増すばかりの“東宝シンデレラ組”の一人でもある。間もなく、彼女のハリウッド進出作品『モンスターハンター』も公開だ。映画ファンにとっての“当たり前の日常”を象徴する山崎紘菜に、また会いに行こう。
■折田侑駿
1990年生まれ。文筆家。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、服飾、酒場など。最も好きな監督は増村保造。Twitter
■公開情報
『ブレイブ -群青戦記-』
全国公開中
出演:新田真剣佑、山崎紘菜、鈴木伸之、渡邊圭祐、濱田龍臣、鈴木仁、飯島寛騎、福山翔大、水谷果穂、宮下かな子、市川知宏、高橋光臣、三浦春馬、松山ケンイチ
監督:本広克行
脚本:山浦雅大、山本透
音楽:菅野祐悟
原作:笠原真樹『群青戦記 グンジョーセンキ』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
配給:東宝
(c)2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会 (c)笠原真樹/集英社
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