『レッドアイズ』亀梨和也と忍成修吾の対峙が意味すること SNSでは“内通者”考察広がる
形は違えど、愛する人を奪われた過去をもつ伏見と蠣崎は、やはり似ているのかもしれない。銃を向ける島原に対し「撃て」と言う蠣崎。「死にたいだけだ」と、蠣崎の心の内を見抜く伏見。もっとも、極限状態で「私にはもう失うものはない」と言い切った島原もまた、ある一線のギリギリを歩いている同士かもしれないが。
けれど伏見には仲間がいる。島原には、愛する妹と守るべき部下がいる。蠣崎にはもう、本当に何もないのかもしれないと、銃口を向けられなお挑発する言葉に、みるみる溢れる涙に思う。恋人を失ってから死んだも同然だった、かつてそう語っていた蠣崎。伏見に確保されたときにも「殺せ」「もう終わった」と、そう叫んでいた。蠣崎は復讐を果たしたあと、死に場所を求めていたのだろうか。死ぬのはとても簡単で、難しいのは生き続けることーーこの言葉を、蠣崎の涙が体現していた。
やり方こそ間違ってはいるが、蠣崎のその悲しみは本物だ。だからこそ蠣崎の言葉は、正義とはなにか、正しいとはなにかを問いかけてくる。けれど本当に「B2ファイル」なるものが存在するのなら、憎むべき相手も分からず、謝罪を受けることもなく悲しみ続ける人がいるのなら、ファイルは公にされるべきだ。私的制裁ではなく、法によって裁かれ、償うべきだろう。美保の事件の“解決”も、ここに着地点があることを願う。
ラストでは「青いコートの男」および「先生」の正体として現在、もっとも疑わしい鳥羽(高嶋政伸)が、KSBCをたずねて神奈川県警を訪れた。島原から鳥羽のことを聞かされていた伏見は、青いコート姿の鳥羽を睨みつける。第9話は冒頭から、波乱の予感だ。
さらに予告編では、鳥羽が口にしていた“内通者”ーー裏切り者が、KSBC内部に存在することが明示された。放送終了後もレッドアイズ考察班による分析は続き、SNSは一時、本作関連ワードで独占状態に。これまで謎に包まれていた鳥羽、そして“内通者”の正体は次回、明らかになるのだろうか。
※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter
■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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