『ハン・ソロ』にある“『帝国の逆襲』オマージュ”の数々 スピンオフならではの作風を読む

 本コラムでは、3月5日に『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』枠で放送されることを受けて、本作の見どころやちょっとしたトリビアをお届けしたいと思います。

 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、『スター・ウォーズ』に登場する人気キャラであるハン・ソロの活躍にスポットをあてたスピンオフです。ここでいうスピンオフとは、“本筋”とは別に、そこの世界観や設定、サブキャラなどを使って作った外伝・番外編・派生作をさします。例えばもし『鬼滅の刃』で駆け出しだったころの煉獄杏寿郎さんを主役にした作品が作られたら、『麒麟がくる』の世界観の中で帰蝶様だけにフォーカスした新たなお話が語られたら、それらはスピンオフ作品と呼ばれます。

 なお『スター・ウォーズ』のビジネスにおいては、スピンオフ作品はタイトルの後に「A Star Wars Story(スター・ウォーズ・ストーリー)」とつけ『スター・ウォーズ アンソロジー・シリーズ』とくくっていくそうです。

 こう書くと“本筋”、つまり今までの『スター・ウォーズ』を知らないと楽しめないのでは?と思われるかもしれませんが、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』においてはそんなことはありません。ところどころに『スター・ウォーズ』ファンをよろこばせるセリフやキャラがでてきますが、これ単体で成立しているスペース・アクション・エンターテインメントです。

 ただ一応本作で描かれる“宇宙”について説明しておくと……『スター・ウォーズ』は僕らの住む世界・歴史の延長にはありません。はるか昔、どこかの銀河系が舞台。(だから“地球”という星も“地球人”も出てこない)様々な星の住人・生物・文化・文明が混在します。

 ファンタジーとSF的なガジェットが散りばめられた独特の世界観。ここでは縄張りを争いをくりひろげる犯罪シンジケートや圧政にのりだす銀河帝国が存在し、混とんとした状況になっています。こうした後にハン・ソロと呼ばれるようになる銀河のアウトローにしてヒーローの若かりし頃の冒険を描きます。

 宇宙空間を舞台にしたスペース・シップ同士の戦闘(ドッグファイト)、光線銃飛び交う銃撃戦、様々な乗り物(メカ)が絡むスピード感あふれるアクションと見どころいっぱい。読み切りの宇宙活劇として楽しめます。

 さて、ここからは今までの『スター・ウォーズ』を観ている方に向けた若干マニアックな内容となります。(以降、一部ネタバレあります)

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