竹内涼真×笠松将が見せる『きみセカ』と正反対の関係 「100%の気持ちでぶつかっていける」

竹内涼真×笠松将が見せる『きみセカ』と正反対の関係 「100%の気持ちでぶつかっていける」

竹内「“目的を持つ”ことをテーマに」

ーー芝居の作り方も2人のアプローチは違いますか?

笠松:全然違いますね。だから話をしていていつも勉強になります。竹内くんの芝居を一言で表すならとにかく“全力”なんです。ネットの記事とかで、「体当たり演技!」とか表現されますけど、本当に嘘偽りなく彼は身体を張ってるんです。傍から観ていて、「脳揺れちゃってるだろ」と思うぐらいで。全部のシーンで彼が全力でぶつかっていって、この作品の温度はこれぐらいと示してくれるんです。だから、そこに反発するなら反発すればいいし、乗っかるなら乗っかればいい。『きみセカ』のようなアクションだったり、パニックになるシーンが多い作品だと、芝居の温度を決めるのがすごく難しいんです。その温度を竹内くんが現場でしっかりと示してくれるので、そこがすごいな。

ーーやり過ぎでも大人しすぎても、一歩踏み外してしまうと途端にリアリティがなくなってしまいますよね。

笠松:そうなんです。特に僕は響と対立する役柄なので、ある種竹内くんのテンションと真逆でいればいいというか。そこはめちゃくちゃやりやすいですね。あと、僕はテストでは抜いて本番で一気にやればいいかと思うタイプなんですが、竹内くんは本番もテストもとにかく全力。抜いているのが恥ずかしいみたいな空気になるから、すごい今回の現場は疲れます(笑)。でも、それが僕も含めて現場のみんなに緊張感を生み出していると思うし、作品のトーンにもハマっているんじゃないかなって。

竹内:今回の作品では、“目的を持つ”というのをテーマにしました。僕が演じる間宮響は、善人かもしれないのですが、ものすごく自分勝手でもあるんです。だから、正解ではなくて間違いもかなりおかしてしまう。演じる上で、響の中で恋人の来美(中条あやみ)がどれだけ大切な存在なのかというのを最初に決めました。彼の目的は“生きること”ではなくて、“来美を見つけること”なんです。だから、周りがなんと言おうがその目的のために行動するから間違いも選択してしまうんです。『テセウスの船』(TBS系)で演じた田村心も必死に頑張るという点では共通している部分があるんですが、心の場合は自分がどんな状況に置かれているのか俯瞰した視点があった。でも、響にはそんな俯瞰した視点はまったくなくて、とにかく自分の目的のためだけに動いている。それは演じる上でも特に意識した点です。だから、笠松くんをはじめとした共演者の皆とも、100%の気持ちでぶつかっていけるんです。響としてこう動いたら仲間のみんなは困るなとか、そういった俯瞰するような視点は演じる上でもあえて持たないようにしました。余計なことは考えず、バランスに関しては監督さんにおまかせして、僕はとにかく全力でやるしかないなと。

ーー響は間違いなく善人ですが、あの異常事態の中では必ずしも正しい行動ではないですよね。等々力の台詞にもありましたが、「響さえいなければ皆無事だったのでは?」という視聴者の声もあります。

竹内:まさに視聴者の方にもそう思ってほしかったんです。一見ヒーローに見える主人公ですが、決してそうじゃないんです。

ーー客観的に見れば響より等々力の方が正しいことを言っているのにヒール役に見えてしまうという。

竹内:本来なら逆なんですよね。

笠松:でも、現実でも正しい意見がいつも支持されるわけではないんですよね。例えば、現在のコロナ禍において、感染拡大を防ぐことだけを目的とすれば「全員家から出ないでください」が正しい意見かもしれない。でも、仕事などで外出せざるを得ない人だっているし。いくら正しい意見でも何の事情も配慮されずに命令されたら従うことはできない。だから、大事なのは「正しい意見」とそれを「正しく伝えること」なんです。

竹内:等々力は「正しく伝えること」ができなかったんだよね。

笠松:そう。でも、彼もいっぱいいっぱいなんだよね。別に等々力も意地悪したくて言っているわけではないのに、あんな世界に置かれて、しかも忌々しい響の存在もあって、あんなことになってしまう。この物語の登場人物はみんな“失敗”ばかり。だけど主人公の響だけはひとつのものを信じてまっすぐ進んで大きな失敗を繰り返しながらも最後に1番欲しいものを手に入れようとする。これは現実世界でもそうだと思うんだけど、それっぽい正解を用意しても結局そこには何も残らない。響みたいに周囲から理解されなくても、信じた道を突き進んだ人にだけ得られる答えがあると思うんです。そんな響の姿に影響されて等々力や周囲の人物もどんどん変わっていく。僕たちの日常とはまったく違うドラマですけど、そんな姿に共感してもらえるものがあるんじゃないかなと思っています。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる