年末企画:成馬零一の「2020年 年間ベストドラマTOP10」 日本の実写映像で生まれた表現

年末企画:成馬零一の「2020年 年間ベストドラマTOP10」 日本の実写映像で生まれた表現

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2020年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに分け、国内ドラマの場合は、地上波および配信で発表された作品から10タイトルを選出。第14回の選者は、ドラマ評論家の成馬零一。(編集部)

1.『映像研には手を出すな!』(MBS/TBS)
2.『今際の国のアリス』(Netflix)
3.『リモートドラマ Living』(NHK総合)
4.『MIU404』(TBS系)
5.『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)
6.『ゆるキャン△』(テレビ東京系)
7.『不要不急の銀河』(NHK総合)
8.『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系)
9.『これっきりサマー』(NHK総合)
10.『警視庁・捜査一課長2020』(テレビ朝日系)

 今年は新型コロナウイルスのパンデミックを抜きには語れない年だった。ドラマも例外ではなく、春クールに放送予定だった多くのドラマが撮影休止となり、放送は夏クールへ延期された。その結果、プライムタイムのドラマ枠を埋めたのが旧作の再放送だったが、もっとも素晴らしかったのが『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)だ。2005年に作られた木皿泉脚本の学園ドラマだが、コロナ禍の現在の方が、染みるものがあった。再放送なので選外としたが、今年を代表するドラマである。

 コロナ禍の高校生の夏休みを描いた9位の『これっきりサマー』も、木皿泉が脚本を担当したミニドラマ。日常の中にロボットや幽霊といった異界の住人が登場するファンタジーを描いていた木皿泉が、2020年に一番リアルな高校生の青春ドラマを描いたということは、我々の日常自体が異界になってしまったからだろう。

 一方、撮影休止の自粛期間に多数作られたのがリモートドラマ。その多くは記録としての作面が強く、純粋なドラマとして視聴に耐えうる作品は限られている。そのため、この時期だけの徒花として終わりそうだが、例外的に射程の長い作品となったのが、3位の『リモートドラマ Living』。広瀬アリス&広瀬すずといった実際の姉妹や夫婦が共演するドキュメンタリー性と、坂元祐二が紡ぐ寓話性が同居する物語は、現在を語っていると同時に今後の未来を語っているように感じた。

 7位の『不要不急の銀河』は、又吉直樹の脚本を『いだてん~東京オリムピック噺』(NHK)の井上剛が演出を務めた単発ドラマ。スナックを営む家族がコロナ禍に直面する現実を描いたドラマパートと、コロナ禍で混乱しているドラマ制作の過程をみせるドキュメンタリーパートの二本立てとなっており、当時の生々しい記録となっている。

『MIU404』(c)TBSスパークル / TBS

 4位の『MIU404』は、チーフ演出・塚原あゆ子、プロデュース・新井順子、脚本・野木亜紀子という『アンナチュラル』(TBS系)を手掛けたチームが作った刑事ドラマ。2019年から始まり、東京オリンピック開催間近の7月に全14話で終わる予定だった物語は、コロナ禍の影響で11話に短縮され、当初の予定が大きく狂ったが、その影響自体を作品に取り込み、最終的にコロナ禍の現在につなげることで、現状に対する批評的な作品となっていた。

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