『警視庁・捜査一課長2020』プロデューサーが明かす、ユニークなドラマを成立させる秘訣

『警視庁・捜査一課長』Pが語るドラマの秘訣

 ヒラ刑事から這い上がった“叩き上げ”の捜査一課長・大岩純一(内藤剛志)と捜査員たちの熱き奮闘を描く、木曜ミステリー『警視庁・捜査一課長2020』(テレビ朝日系)。第3話では「3割引シール殺人!? 絶対怒らないクレーム処理女の謎」、第4話では「餃子好きによる餃子好きの殺人」と独創的な題材が繰り広げられており、視聴者を引きつけている。

 リアルサウンド映画部では、本作のゼネラルプロデューサー関拓也氏にインタビューを行った。ユニークなドラマを豪華出演者で成立させる秘訣はどこにあるのか。制作の背景や、本作のここまでの反響を受けての心境、5月21日から放送されるリモートドラマの見どころを聞いた。(編集部)

「コンセプトは『科捜研の女』とまったく一緒」

――内藤剛志さん主演の『警視庁・捜査一課長2020』はシーズン4に入り、ますます話題ですね。例えば、第3話の「遺体の3割引シール」や第4話の「餃子の皮」などでは、Twitterのトレンドにいくつもの関連ワードがランクインするほどの盛り上がりでした。これまでよりも若い視聴者がたくさん参入している印象もあります。

関拓也(以下、関):今年は特にコロナ自粛によって在宅率が上がったことから、たくさんの方にご覧いただいている印象は確かにあります。ただ、変えているつもりは特になく、シリーズを通して常に意識していることは、夜8時という時間帯なので、わかりやすく、明るく楽しい内容をお送りするということ。根本のコンセプトは『科捜研の女』とまったく一緒なんです。もちろん謎解きモノなので、多少の血は流れますが、ドロドロした内容を夜8時にご覧になりたい方はあまりいらっしゃらないと思いますので、殺人事件に重きを置いているわけではなくて。基本的に嫌な人がいなくて、みんな一生懸命に生きていて、全員で頑張って事件を解決するということを大事にしています。

――確かに、殺人についても、恨みや憎しみがベースにあるわけではなく、おっちょこちょいや不運による事件が多いですよね。

関:時間帯のせいはありますね。テロなどはないし、極悪人もほとんど出ない。作る側としては、被害者も加害者も含めて、一生懸命生きている人たちを描きたいということ。今年は特に、観ていただく方が最終的に前向きであたたかい気持ちになっていただけるものをお届けしたいと思っています。

――3割引シールや餃子の皮、キャミソールなど、遺体が奇妙なモノをつけていたり握ったりしているパターンが多いですが、「今回は餃子の皮にしよう」などとモノから先に決めているのでしょうか?

関:回によって異なりますが、基本的にはテーマを最初に決める場合が多いですね。例えば第3話は、クレーム対応を突き詰めようというテーマで、クレーマーの話なので、遺体に割引シール貼ってみたらどうだろうと。ゲスト主役の方のキャラクター性や経歴などを考え、そこから遠くない事件にしていることもあります。

――サブタイトルの強烈さも、大きな特徴ですが。

関:サブタイトルは、新聞のラテ欄に載るものですね。もともと2012年から単発で放送されてきた『土曜ワイド劇場』の作品なので、その流れで、文字だけで様々な想像をしていただきたいという狙いがあります。逆にサブタイトルを先に思いついて、そこからストーリーを作ることもあるんですよ。

――「3割引シール」「餃子」ときた直後に、「ありえないものを握って落ちた」と。ありえないものが何なのか気になりすぎて、観ざるを得ない展開でした。

関:予告のPRを順番に作っていく中で、「3割引シール」「餃子」ときて、次は「キャミソール」と言っていたんですよ。でも、「もっと視聴者の皆さんの期待に応える形はないかな」と考えて、直接モノを出さずにいこうと(笑)。

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