井ノ原快彦×道枝駿佑が2人で作り上げた親子関係 『461個のおべんとう』は何気ない日常を描く
井ノ原快彦と道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)が共演する映画『461個のおべんとう』が現在公開中だ。
原作は、ミュージシャンでありながら高校生の息子のために毎日お弁当を作り続け、その記録をSNSで発信してきたTOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美のエッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』(マガジンハウス刊)。
ジャニーズの先輩後輩という関係でありながら、今回親子役に挑んだ井ノ原と道枝。井ノ原は父親を演じるにあたり意識したのは、自身の父との関係だと言う。
「父親との距離感を振り返ってみたのですが、そういえば意外と会話していなかったなと。あと小学4年生以降、父親に触れていなかったと思うんです。10年以上前ですけど、父親と一緒に飲みに行って、父親が酔っ払って、タクシーで起こすときに『久々に触れた』と思いました。男同士ってそんなもんなのかなと。ベタベタするだけが親子の関係ではないと思うし、親にしか言えないものもあるし、親だからこそ言えないこともあるなと。それって特別な関係ですよね。そういったことを思い出しながら、みっちー(道枝)との距離感を作っていきました」(井ノ原)
一方、道枝が演じる虹輝は、両親が離婚してしまい、高校にも1年遅れで入学した男の子という繊細な役どころ。道枝は、17才の時だからこそ自分に近づけながら役作りを行ったと語る。
「「虹輝は繊細な男の子ですね。僕個人には反抗期が全然なかったこともあり、どうすればいいのかわからなかったところもあります。でも、自分からは人に話しかけないところや不器用なところは僕自身と似ていると思いました。思っていることをどうやって相手に伝えれば良いかわからないし、言葉でうまく伝えることができないというか、言葉足らずなところもあり、そこは少し似ている部分なのかなと思います」(道枝)
そんな道枝は、井ノ原の優しさが大きな助けになったという。
「すごく優しい方というのは聞いていたんですけど、お会いすると本当に優しい方でした。クランクインの前にマネージャーさん経由で連絡先を交換していただいて、やりとりをしていたんですけど、井ノ原さんが『親子役だから敬語じゃなくてタメ口でいいよ』と言ってくれてすごくびっくりしました。少し戸惑いはありましたし、本当に大丈夫なのかなと思っていたんですけど、井ノ原さんは『僕は怒らないから大丈夫だよ』と言ってくれて、それがきっかけでタメ口で話すようになりました。最初は探り探りでしたが、撮影している間にだんだんと慣れてきて、最近はあまり気を遣わずにタメ口で話せるようになりました」(道枝)
井ノ原による歩み寄りから始まり、2人で築き上げた親子関係。クランクアップの頃にはその絆は固く、「普通のクランクアップというより、なんだか引き離されてしまうような感覚で、『なんで別れなきゃいけないんだっけ?』という気持ちがありましたね」と井ノ原は明かす。
「この映画に出演していなかったら普通に先輩と後輩なんでしょうけど、もう後輩とは思えないです。今回ジャニーズの後輩の中でも彼と共演できたのは運命的なものだったと思うから、この先の人生もなにかしらの形で関わっていくのかな、なんて思いながら演じていたので。今も活躍は注目しています。でもこの間一緒に番組に出たときに『名前なんだっけ?』って聞いちゃったんです(笑)。撮影中、僕はずっと役名の虹輝と呼んでいたから、本名がわかなくなっちゃって。これからはみっちーって呼ぶことにしたんですけどね」(井ノ原)