妻夫木聡×吉高由里子、初共演で意気投合!? お互いにプレッシャーを感じた『危険なビーナス』

妻夫木聡×吉高由里子、初共演で意気投合!?

「原作がある物語は、毎回怖い」 東野圭吾原作への挑戦

ーー今回、東野圭吾さんの原作を映像化する上で、1番意識していることはなんでしょう?

吉高:やっぱり原作がある物語は、毎回怖いなって思うんですよね……原作ファンの方もいるし、もうその方の中で人物像というかイメージができているだろうし、その出来上がったイメージの中に自分が馴染めるか、許されるのかなっていう不安はいっぱいありますね。楓は得体の知れない人物で、何をやっているのかも分からないし、どこから来たのかも分からない、本当に弟の嫁なのかどうかもわからない。すごく明るくて、人懐っこい性格ではあるんですけど、“なんなんだろうこの人?”という空気も持ってなきゃいけないなというのは意識してますね。私自身も、原作の楓とドラマの楓は全然違うなとやりながら思っていて、人間味というか柔らかさを出せたらと思っています。

妻夫木:原作があるミステリーなので、どういう展開になるかは皆さんも想像してくると思います。その中で答え合わせにならないように、僕自身も“本当にこういうことなのかな?”って疑ってしまうぐらい、お客さんにいい意味でミスリードさせることも必要だなと思っていて。原作とは違う、ドラマならではのミステリーを見せられるように頑張っていきたいです。

ーー会話劇のシーンも多く、台詞がたくさんあると聞きました。2人のシーンでもすごい喋りますよね。

妻夫木:僕、本当にドラマが久しぶりで。しかも、こんなにテンポが早くて、ト書きがなくて、セリフばかりの台本が初めてなんです。だから、台詞が入らなくなってきて、最近ちょっと本当に歳を感じます(笑)。テンポよく会話劇でやりあったりするのは楽しいし、お互いどっちが先に間違えるか勝負みたいになってくるところもあって、そこに小日向(文世)さんとかが入ってくると難航してくるので、面白いですね。

吉高:台詞量も多いんですけど、出ているキャストの方の人数も多いので、その会話を追うのもすごく楽しいです。伯朗のひとり演説が毎話あるのも刺激的ですし、私はすごく噛みやすいので、そういう会話の中でひと言を挟むときに絶対に間違えないようにしなきゃっていう謎のプレッシャーに襲われたりもして。伯朗の長台詞が終わって私が喋るときにつまづかないようにしなきゃとか、もう怯えながらやってます。

妻夫木:吉高さんは自分が間違えても、監督とかの指示を待たずに勝手に仕切り直しますからね(笑)。

吉高:なかったことにしてくれっていう感じでやってます。

ーー原作者の東野さんが「役者さんたちに思いっきり好きなように遊んでもらいたい」とコメントしていましたが、それを受けてどうでしょう?

吉高:楽しめたらもう、それは遊び心なのかと思うので、現場で1番に楽しむくらいの気持ちで、思いっきり挑めたらなと思います。

妻夫木:そうおっしゃっていたことをさっき思い出して。もうだいぶ撮っちゃったんだけど、ちょっと今からプレッシャーを感じてきました。思い出さなきゃよかったな(笑)。

ーーすみません、忘れてください(笑)。

吉高:また引きずっちゃうから、すぐ。

妻夫木:「これで東野さん大丈夫かな?」ってすぐ考えちゃうタイプなので(笑)。あまり気にせずやれたらいいかな。でも原作者の方がそうおっしゃってくれるのはすごくありがたいです。僕らは僕らの中でドラマを作り上げていくっていう思いがあるので、変に東野さんの顔色を伺いながらやるのは違うと思うし。面白くて次が観たくなるドラマを視聴者の方に届けるのが僕たちの使命なので、今まで通り、目の前にあるものに真摯に取り組むだけですね。

ーー登場人物が多いなかで、2人が特に注目してほしい人物は?

吉高:女性陣みんなですね。波恵叔母様(戸田恵子)は迫力があるし、祥子叔母様(安蘭けい)の威圧感も怖い。佐代さん(麻生祐未)があの笑顔でたったひと言セリフを言うだけで、凍らせるような空気感を作るのもすごいなと思います。男の人の方が弱いんじゃないのかなっていうくらい。

妻夫木:確かに出てくる男全員弱いな(笑)。

吉高:矢神家は女の方がたくましく生き延びそうな家系だなって。女性の迫力が見どころですかね。憲三さん(小日向文世)のところも結局、順子さん(坂井真紀)が引っ張っていっているような夫婦ですし。

ーーその怖い女性陣と対峙するお芝居はどうですか?

吉高:私、1話のときは恐怖でした。なんでセット初日でこんなのさせられるのと思って。じっとり見られるし、長いし。

妻夫木:それは、そういう役なんだからしょうがないじゃん(笑)。

吉高:本当に怖いなって。滝汗かいてました。

ーー妻夫木さんの注目人物は?

妻夫木:登場人物も誰一人として普通の人がいないんです。みんなちょっとおかしい。この人はさすがに普通でしょって皆さん思う人がいると思うんですけど、全く普通じゃないので、どう普通じゃないのかをそれぞれで考えてみてもらいたいです。その油断してるところにジャブをかましたいなと思います。

ーー伯朗は普通じゃない?

妻夫木:伯朗は妄想してるので、全く普通じゃないですね。

吉高:妻夫木聡も普通じゃないですからね。

妻夫木:ちょっと待ってよ、そういう話(笑)?

吉高:そうでしょ。キャラクターも人柄もっていうことじゃなくて?

妻夫木:俺の話になってるの?(笑)

吉高:あはは。

妻夫木:(笑)。そうやって毎回、普通じゃなさが解き明かされていくので、こいつこんなにおかしなやつだったんだって、そういう違った見方でも楽しめると思います。綿密にできた脚本なので、実は伏線をいろんなところで張っていて、その伏線を回を増すごとにどんどん回収していくので、なんとなく出てる人もちゃんと見ていてほしいですね。

■放送情報
日曜劇場『危険なビーナス』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、吉高由里子、ディーン・フジオカ、染谷将太、中村アン、堀田真由、結木滉星、福田麻貴(3時のヒロイン)、R-指定(Creepy Nuts)、麻生祐未、坂井真紀、安蘭けい、田口浩正、池内万作、栗原英雄、斉藤由貴、戸田恵子、小日向文世
原作:東野圭吾『危険なビーナス』(講談社文庫)
脚本:黒岩勉
プロデューサー:橋本芙美(共同テレビ)、高丸雅隆(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、河野圭太
製作:共同テレビ、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikenna_venus/
(c)TBS

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