『SUITS/スーツ2』で2人の“カンチ”が邂逅! 織田裕二×伊藤健太郎、初共演への期待
織田裕二が敏腕弁護士・甲斐正午を演じる『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)第11話に、伊藤健太郎がゲスト出演する。伊藤は、リメイク版『東京ラブストーリー』(FOD/Amazon Prime Video)で、織田と同じ永尾完治(カンチ)を演じており、2人の初共演に注目が集まっている。
トレンディドラマが残した功績はいくつもあるが、現在まで続く主役級のキャストを輩出したことはその最たるものだ。1991年に放送されたトレンディドラマの代表作『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)は、織田や鈴木保奈美、江口洋介たち若手俳優を一気にスターダムに押し上げた。
『東京ラブストーリー』がリメイクされると聞いたとき、まっさきに頭に浮かんだのは「誰がリカとカンチを演じるのか?」ということだった。バブル期の東京を舞台にした群像劇を2020年に蘇らせるという挑戦に加え、先輩たちが築いた完璧に近い登場人物のイメージを塗り替えることは無謀とも思えた。しかし、その心配は杞憂だった。石橋静河扮する赤名リカの途方もない魅力に加えて、カンチ役の伊藤が画面に現れた瞬間に、この作品は、まぎれもなく『東京ラブストーリー』なのだと確信した。それくらい伊藤を包んでいた空気はカンチそのものだったのだ。
平成版の『東京ラブストーリー』で建設中だったレインボーブリッジは、令和版では、すでに存在するものとして現れる。29年という歳月は、織田が「俳優・織田裕二」になるための時間でもあった。『東京ラブストーリー』でブレイクした織田は、『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)、『お金がない!』(フジテレビ系)などを経て、『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)で国民的な人気を獲得することになった。ちなみに、レインボーブリッジは『踊る大捜査線』劇場版第2作の舞台でもある。
俳優としての織田のキャリアはスーツの着こなしに端的に表れている。『東京ラブストーリー』での初々しいスーツ姿から、『振り返れば奴がいる』では医者の白衣、『踊る大捜査線』ではM-51をスーツの上に羽織った。脱サラ刑事・青島のトレードマークであるM-51は、現場第一で警察組織に異議を唱える青島の“正装”だった。近年は『外交官 黒田康作』(フジテレビ系)シリーズや、『IQ246〜華麗なる事件簿〜』(TBS系)など、役柄に応じてスタイリッシュな着こなしを見せる織田。10年ぶりの「月9」主演作となったのが、現在放送中の前シーズンにあたる『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)だった。
『SUITS/スーツ』で、甲斐は、鈴木大輔(中島裕翔)にスーツを買いに行かせる。タイトルは、英語で「訴訟」とスーツの両方を意味しており、弁護士にとっての戦闘服であるスーツを着こなすことは、法廷ドラマの主人公の必須条件である。本作での織田の着こなしからは、50歳を過ぎてなおトップフォームを保つ俳優としての矜持が伝わってくる。