向井理、『麒麟がくる』足利義輝役を振り返る 「重みといずれ滅びる儚さを両立させること」
8月30日より放送再開となる大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)。このたび、足利義輝を演じる向井理よりコメントが寄せられた。
本作は、大河ドラマ第29作『太平記』の池端俊策が脚本を手掛けた戦国時代劇。織田信長の家臣として知られ、日本史の一大事件のひとつ「本能寺の変」を起こした智将・明智光秀(長谷川博己)を主役とし、その謎めいた半生に光を当てていく。
向井が演じているのは、13代将軍・足利義輝。塚原卜伝にも師事したといわれる剣豪将軍でありながらも、混迷する京の情勢に翻弄され、近江と京を出入りすることを余儀なくされた。三淵藤英(谷原章介)を通じて、光秀と知己を得る。
向井は義輝について、「長く続く足利の時代にあって、その終焉の始まりにあたる人物だと思います。重んじてきた伝統と、時代と共に押し寄せる新たな勢力の狭間で揺れる難しい情勢の中で懸命に生きていたのだと想像します」とその人物像を捉えていたという。
演じる上で大切にした点に関しては、「没落してゆく将軍家を感じながら、武家の棟梁であるプライドも持ち併せているところです。13代目まで続いてきた重みと、いずれ滅びる儚さを両立させることは意識してきました」とコメント。
第22回では義輝と光秀の魂の交流とも言うべき対峙シーンが描かれた。「将軍という立場上、周りに意見されるとこともあまり無く、神輿に担がれている状態だったと思います。その中で将軍の権威失墜も感じつつとても息苦しさを感じていたところ、自分でも感じていた将軍とはかくあるべきということをスパッと言われた。その誠実さと勇敢さに心打たれたと思います」
本作を通して感じた戦国時代の過酷さについては、「習わしや伝統など大事なことも多かったと思いますが、反面抗えないことも多々あったのかと。命の重みも今とは全く違うでしょうし、その根底にある意識は少なからず今にも流れているのではと思いました。また、実力次第でのし上がれる分、切られるのも一瞬。その渦に飲み込まれたらギャンブルのような人生になっていくのだろうと想像します」と述べた。
『麒麟がくる』の脚本を担当する池端俊策の作品では、過去に『そろばん侍』で主演を務めている向井。改めて感じた池端作品の魅力については、「聞かせるところは聞かせ、早く展開するところはとてもテンポが良く、作品にのめり込みます。登場人物の描写も喜怒哀楽がふんだんで、情景もそのスケールが頭に浮かぶようで、読んでいるだけでも楽しかったです」と絶賛。
最後に義輝の“最期のシーン”に関しては「剣豪将軍と名は付いていますが、史実と事実は違います。殺陣のシーンもあると思いますが、武家の頭領らしく、勇ましく散ることができたらなと思います」とコメントを寄せた。
■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin