西野七瀬、『アンサング・シンデレラ』は女優としての重要な一作に 『あな番』からの成長を辿る

西野七瀬、『あな番』からの成長を辿る

 第5話で、ケモセラピー(化学療法)に興味を持ち、やる気になってきた相原。抗がん剤治療中の家族に希望があると励ましてきたが、患者が亡くなってしまう。実際に死を目の前にした相原は「諦めずに頑張りましょうと言っておきながら、私何の役にもたてなくて」と謝ると、「患者さんのために何ができるのか、その覚悟忘れないでね」と葵に慰められ涙する。自分が実際に死と直面をする経験をして、相原が初めて薬剤師というプロとしての自覚を持ったという意味において、第5話は西野にとっても大きな回となった。

 本作を観ていると、葵の背中を見て相原が新人薬剤師として成長するのと同じように、目の前の石原の演技を見て、西野が女優として成長していくようにも思える。これまでは独自路線で女優として経験を積んできた西野だが、同世代の役者や先輩と言える女優との共演があまりなかったように思う。第5話の涙の演技は西野にとって、石原がいたからこそできた演技でもあったのではないだろうか。

 次回の第6話では、相原が初めて患者を任され悪戦苦闘。第5話の覚悟を経て、相原がどう成長するのか、そしてそれを表現する演技にも注目したい。本作が西野の女優人生においてターニングポイントとなる作品なのは間違いないだろう。ちなみに、本作では薬剤部副部長・瀬野章吾を田中圭が演じている。『あな番』の因縁の2人の共演も密かなポイントだ。

■放送情報
木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:石原さとみ、西野七瀬、成田凌、桜井ユキ、井之脇海、金澤美穂、真矢ミキ、迫田孝也、池田鉄洋、でんでん、田中圭
原作:『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』荒井ママレ/医療原案:富野浩充(『月刊コミックゼノン』連載/コアミックス)
脚本:黒岩勉
プロデュース:野田悠介
演出:田中亮
制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/unsung/
公式Twitter:@unsung2020

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