X-MEN『ニュー・ミュータンツ』も オンライン開催のサンディエゴ・コミコン、今年の注目は?
新型コロナウイルスの影響でこの夏予定されていたサンディエゴ・コミコン(以下、SDCC)のリアル開催が中止となりました。
コミコン側は「ComicCon@Home」と銘打ち、オンライン開催に切り替えました。ファンとしては毎年SDCCでマーベル、DC映画の発表が行われるので、オンライン開催でもそうした発表があるのか? 気になるところです。
結論から言うと、現状のプログラムのスケジュールを見る限り、残念ながら今回の“オンラインのSDCC”にはマーベル、DCの映画のパネル(プレゼンテーション)はなさそうです。しかし、その代わりになるような動きがいくつかあるし、土壇場で“オンラインのSDCC”において重要な映画まわりの発表が行われる可能性はまだあるので、今回はそうした事情・状況についてお話したいと思います。
マーベル(特にMCU)、DC映画にとってなぜSDCCが重要なのか、ということをまずご説明しましょう。SDCCはその名前からわかるとおり、もともとはコミック(アメコミ)のコンベンション・イベントでした。アメコミの出版社、アーティスト、ファン、またアメコミに関連する業界が集まっての交流イベントです。ところがアメコミ原作の映画が主流になってくると、マーベルもDCも映画やTVドラマのプロモーションの場としてここを使うようになります。
また、例えば『プレデター』や『ハロウィン』のようなSF、ホラー映画、『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジーものもSDCCに来るファン層と被るので、コミック以外のエンターテインメントも集まるように。SDCCは毎年7月に開催されますが、タイミングとしてもとても良いのです。というのも、こうした大作映画は基本的に夏興行、クリスマス興行の大作が多い。だから来夏公開作品にとってはちょうど1年前のキックオフになるし、クリスマス興行にとってはプロモーションの追い込みとして勢いづきます。ドラマにとっては、秋から新シーズンが始まるので、直近のアピールの場としては最適なんですね。そのような要因もあり、SDCCはコミックの祭典から、いわゆるジャンル映画の発表の場としての魅力を持つようになります。そうなると、映画会社はここに出演スターを呼んで派手なパネルを展開。昨年のSDCCではトム・クルーズ自らがやってきて『トップガン:マーヴェリック』の予告の初出し上映を行いました。トム・クルーズはSFアクション映画に多く出ているので、実はSDCCによく来てくれるセレブの一人だし、『トップガン』自体がサンディエゴの海軍基地が舞台なので、サンディエゴ=SDCCでまずお披露目したかったそうです。
そうしてSDCCは、海外でも日本でも映画メディアが注目するイベントになりました。僕は2010年のSDCCから参加しているのですが、その時MCU:マーベル・スタジオのパネル会場に入ることができ、そこで『アベンジャーズ』の製作発表が行われ、ステージ上に全キャストが並ぶというシーンに立ち会うことができました。その時の会場の興奮はワールドカップやロックのコンサートのようでした。ファンはその場での興奮をすぐにSNSにあげるので、瞬く間にニュースは広がります。