「週末映画館でこれ観よう!」
長澤まさみらの“新たな一面”に注目! 実際に起きた殺害事件を基にした映画『MOTHER マザー』
そして、物語の鍵を握る重要な役である、母親・秋子の歪んだ愛情しか知らずに育った17歳の少年・周平を演じている奥平大兼。渋谷駅の改札で事務所から声をかけられスカウトされたことから俳優の道へ進み、「勉強のために」と初めて受けたオーディションで、今回の大役を掴んだ新人だ。スクリーンデビューはもちろん、本格的な演技もこの作品が初めてだという。そんな奥平のまだあどけなさの残るリアルな演技は、作品に新鮮さと緊張感をもたらしており、劇中での“ある変化”以降は、まるで別人のような雰囲気を醸し出していた。筆者が行ったインタビュー(参考:長澤まさみ×阿部サダヲ×奥平大兼の3人が挑んだ難役の裏側 映画『MOTHER マザー』を語り合う)では、この作品の経験によって、今後も俳優でやっていく決心がついたことを明かしてくれた奥平。その素顔は、長澤が言うような「素直な存在」として、場を盛り上げてくれる明るい少年だった。
実在の事件を基にしているため、物語の結末はある程度予測できてしまうが、そこに至るまでの登場人物たちの思考や行動は到底理解できない部分がある。事件そのものはもちろん、その背景にある社会的な問題を考える上でも、いま観る価値のある作品ではないだろうか。
■公開情報
『MOTHER マザー』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
出演:長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花
監督:大森立嗣
脚本:大森立嗣、港岳彦
音楽:岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
配給:スターサンズ、KADOKAWA
(c)2020「MOTHER」製作委員会
公式サイト:mother2020.jp