二階堂ふみ、小南満佑子、柴咲コウ 『エール』でいばらの道を突き進む三者三様の生き方

『エール』でいばらの道を突き進む女性たち

 また、音を導く人物として環の存在は忘れてはならない。妊娠した音に対して「プロってね、たとえ子供が死にそうになっていても舞台に立つ人間のことを言うの。あなた当然その覚悟はあるのよね?」とシビアな現実を突きつけるなど、プロフェッショナルゆえの洗礼を容赦なく浴びせかける。しかし、「夢も子供も夫婦二人で育てていく」という音の決意は、環にとって新しい風を吹かせた。実は環の過去には、音のように決断を迫られたタイミングがあったという。それ故に、音の決断を聞いた環は複雑な表情を浮かべた。そのことについては番組公式サイトの柴咲へのインタビューで明かされており、今後、環が今日に至るまでの背景が描かれる予定だそうだ。

 音楽といういばらの道を突き進む3人の女性は、それぞれ捨てたものもあれば得たものもありながら前に向かって走り続ける。誰の選択が一番正しかったということはない。それぞれが満足して日々を送れることこそが、一番重要なことだろう。三者三様の生き方に今後も注目していきたい。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる