大野智、『鍵のかかった部屋』などでの“変わり者”役がハマるワケ 包まれた“謎”を探る

 そんな大野のパーソナリティーは、本作『鍵のかかった部屋』でも発揮されている。

「『TV LIFE 第22回 年間ドラマ大賞2012 主演男優賞』でのインタビューにおいて、大野さんは『鍵のかかった部屋』について、監督に一番指導を受けた作品だったと語っていて。『抑揚をつけずに』『目まで動かさないでください』といった指導があったようです。彼が動かないことによって、榎本径の得体の知れなさが際立つ。デフォルトであるようなオタク的な演技にとらわれず、立っているだけそういう人に見える。それがユーモラスですよね。演じる立場としては、すごく難しいことだと思うんですが、そうした期待に見事に応えています」 

 さらに、佐藤氏によると、大野の“ミステリアスさ”は演技の方法にも通じる部分があるという。

「嵐のほかのメンバーですと、松本潤さんや櫻井翔さんなども、ご自身のキャラクターを活かした上で、劇中のキャラクターの魅力をより深めているように思いますが、大野さんの場合は、自我自体を消した上でそのキャラクターを演じているように見えます。『大野さんってもしかしたら本当にこういう人なのかな』と毎回の作品で感じてしまう。『鍵のかかった部屋』の榎本径の好きなことに熱中する性格は、大野さん自身にも共通しているが故に、余計そう思ってしまいます。大野さんの“謎”に惹かれて、より深く知りたいと思う。大野さんはそれほど作品の世界やキャラクターに、みんなを引き込んでしまう。そんなところが大野さんの演技の魅力の一つではないでしょうか」

 今回の再放送は、そんな大野の演技を堪能できる絶好の機会。まだ観たことがないという方はもちろん、一度観た方も改めて大野の“謎”に引き込まれてみてはいかがだろうか。

■放送情報
『鍵のかかった部屋 特別編』
フジテレビ系にて、5月25日(月)21:00~21:54放送
出演:大野智、戸田恵梨香、佐藤浩市ほか
原作:貴志祐介『鍵のかかった部屋』『狐火の家』『硝子のハンマー』(角川文庫)
脚本:相沢友子ほか
演出:松山博昭、加藤裕将、石井祐介
プロデュース:小原一隆
協力プロデュース:中野利幸
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ

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