『BNA ビー・エヌ・エー』は世界を見据えた意欲作に 注目を集め続けるTRIGGERの戦略

『BNA ビー・エヌ・エー』は世界を見据えた意欲作に 注目を集め続けるTRIGGERの戦略

 TRIGGERが世界を狙いにきた。

 Netflixで先行配信されているTVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』を鑑賞した際に、一番に思ったことだ。『プロメア』の大ヒットも記憶に新しいアニメスタジオ・TRIGGERは、時にはバカバカしいほどにけれん味のある、熱いバトルアニメを制作するスタジオという印象が一般的だろう。だが、近年は緻密な世界展開への戦略など、新たなる客層を呼び込むことをより重視しているようにも感じられる。今回はTRIGGERの作品から垣間見える、ファン層拡大に向けての戦略について考えていきたい。

 今、アニメ業界は大きな転換期にある。これまでも日本アニメが世界中で人気を集めた事例は数多くあるものの、それがビジネスとして成功するに至った例はそう多くない。スタジオジブリの世界的な知名度の高さや、1996年に『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のビデオ売り上げがアメリカビルボード誌で1位を獲得するなどの例があるものの、その人気はアニメ業界で一般的な現象であるかと問われると、言葉に困るのが現状だろう。

 そんな中、現在の日本アニメを取り巻く状況の変化として顕著なのが、世界市場へのアピールだ。これはNetflixなどの配信サービスの充実化と、それにより日本アニメの世界的な人気が可視化されたことにより、より世界市場へのアピールが容易になってきている。Netflixは視聴者数などは公表していないものの、日本国内でのランキングTOP10には日本アニメ作品も数多く並んでおり、世界的にみても決して軽視できないほどの視聴者がいることは想像に難くない。プロダクションI.GをはじめとしたいくつかのスタジオはNetflixと業務提携を結ぶなど、世界に向けて大きな変化を始めている。

 そんな中で面白い試みを行っているのが、フジテレビのアニメーション放送枠「+Ultra」だ。公式サイトにも明確に「海外にアニメカルチャーを広げていきたい」と書かれており、Netflixでも配信することで、世界視点で人気を集める作品を取り揃え、放送枠としてのブランド価値を高めようとアピールを続けている。作品も『コードギアス 反逆のルルーシュ』など多くの人気作を手掛ける谷口悟朗監督の『revisions リヴィジョンズ』や、『カウボーイビバップ』などで世界的にファンの多い、渡辺信一郎監督の『キャロル&チューズデイ』など、アニメファン垂涎の面々を揃えている。今回『BNA ビー・エヌ・エー』も「+Ultra」内で放送されている。

 この世界展開が一般化している中で、いち早くその可能性を見出したのがTRIGGERだったのではないだろうか。過去作『リトルウィッチアカデミア』は、若手アニメーター育成支援プロジェクトの一環である「アニメミライ2013」の作品として制作された、30分弱の短編アニメだ。続編制作のためにクラウドファンディングで資金を募ったところ、初日で目標金額達成、最終的には62万ドルが集った。これは『この世界の片隅に』がクラウドファンディングを利用するよりも前の話であり、多くのアニメファンを驚愕させたが、最も衝撃を受けたのはTRIGGERの経営陣だったのではないだろうか。

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