『FOLLOWERS』『全裸監督』などにみる、日本のNetflixオリジナルシリーズの方向性
2月27日からNetflixで配信されているオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』が賛否を呼んでいる。『ヘルタースケルター』や『人間失格 太宰治と3人の女たち』といった映画の監督として知られる写真家の蜷川実花が監督を務めた本作は、東京で生きる女たちを描いた連続ドラマ。
蜷川の分身と言える写真家・奈良リミ(中谷美紀)を中心に、リミが撮った写真がきっかけで注目されたことをきっかけにSNSで注目される女優の百田なつめ(池田エライザ)、芸能事務所で女性アーティスト・sayo(中島美嘉)のマネージメントを担当する群青あかね(板谷由夏)、なつめの友達の画家・サニー(コムアイ)、元人気子役のYouTuber・野間ヒラク(上杉柊平)といった人々の姿が描かれる。
物語はリミを中心とした大人たちのパートとナツメたちを中心とした若者たちのパートに分かれており、『ヘルタースケルター』で蜷川が描いた現代の東京とガールズカルチャーを連続ドラマで描いたという印象だ。
赤を基調とした派手なビジュアルと東京の有名なスポットや有名人が次から次へと登場することをポップでおしゃれと受けとるか、下品でダサいと捉えるのか? 仕事と子育ての両立に悩むリミの葛藤を、古い女性観だと捉えるのか? といった辺りが評価の別れるポイントだろうか。
印象としては『抱きしめたい!』(フジテレビ系)等のトレンディドラマや蜷川が映画化した『ヘルタースケルター』の作者・岡崎京子の漫画の2020年ver.といった感じで、オシャレなカタログ的な作りを狙ったのだとしたら、成功しているのではないかと思う。
その意味で本作の浅さや薄っぺらさを批判する気にはなれないのだが、Netflixの日本制作の作品がこのような方向性になってしまうことについては、別の意味で悩ましいものがある。